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結ばれた二人⑦

「あぁ、ああッ! んん…はぁ……気持ちいい……陛下、もっと、もっとください……あ、あぁ……!」  次から次に零れ落ちる自分の甘い声。恥ずかしいのに、抑えることができない。遠慮なく最奥を突かれ擦られ続けて、頭の芯からボーッとする。仔空(シア)の魂までもが、玉風(ユーフォン)に抱かれたいと叫び声を上げた。  はしたなく口の端を伝う唾液を舐めとられてから、再び口付けられる。交わりながらの激しい口付けに、仔空は受け止めることしかできない。ピタッと密着して、唇を奪われて、体の中まで犯されて……玉風に全てを奪われていく。 (中国王朝に巣食う獣に、身も心も虜にされてしまったのもしれない)  頭の片隅でふと思う。今まで数え切れない程の男に抱かれてきたが、こんなに激しく、優しく抱かれたことはない。いっそ仔空は玉風に食べられてしまいたかった。 「陛下……僕を残さず召し上がってください」 「仔空、其方は本当に愛おしい」  クルッと腹這いにされて、後ろから容赦なく突かれる。また違う部分を突かれ、快感の波が押し寄せた。 「嫌だ……深い……深いです! 気持ちいい……陛下……気持ちいい……あ、あぁ……やぁ……! 気持ちい……!」 「俺も気持ちいい。お前の中は温かくて……ヌルヌルしていて……絡み付いてきて……ハァハァ……止まらない……気持ち良すぎる……」 「あ、あぁッ!!」  快楽に呑み込まれながら、仔空はカクカクと震える太ももに力を入れ、崩れ落ちそうになる体を必死に支える。愛液がダラダラと溢れ出し太股を伝った。 「こんな……雨露期(ヒート期)でもないのに……」  玉風に抱かれ、こんなにも乱れ狂う自分に強く戸惑う。 「大丈夫か? 仔空。辛くないか?」  そして、今も自分を気遣ってくれる玉風の優しさが嬉しかった。  ただぼろ屑のように犯されるだけではない。こんなチッポケな坤澤を大切にしてくれる、玉風が愛おしい。  後ろを振り返れば、必死に自分を抱く玉風が見える。鍛え上げられた体に、色素の薄い美しい髪。 「陛下……口付けをください」 「ふふっ。其方は口付けが好きだな」  少し窮屈な体勢で口付けを交わす。律動が激しくなれば口付けをする余裕もなくなり、目の前にある玉風の手を必死に掴んだ。  玉風が腰を動かす勢いを速めると、さらに響く皮膚と皮膚がぶつかり合う音に卑猥な水音。そして、自分の甘い喘ぎ声。  その全てが、仔空の鼓膜に甘く刺激を与えた。  仔空を抱く玉風も、坤澤を支配しているという満足感に酔いしれているようだ。仔空の白くて絹のような柔らかな肌にヂュッと吸い付いては、桜の花弁のような跡をいくつも残している。 「ハァハァ……ハァハァ……仔空……仔空……其方は、俺のものだ……!!」 「んぁッ!! くぅ……!!」  皮膚を引き裂く感覚と共に、仔空が小さな悲鳴を上げる。玉風が仔空の項に噛みついたのだ。嫁いだ日に贈られた首輪は剥ぎ取られ、寝台の上に転がっている。 真っ赤な血が、首筋から流れ落ちる。 「仔空……ハァハァ……仔空……仔空……!!」 「あ、あッ……んぁ……痛い……あ、はぁはぁ……あぁッ!!」  だらだらと血が溢れ出しても、玉風は噛むことを止めなかった。  滴る血を舐め上げて、再び牙をたてる。飽きるまでそれを繰り返した。 「あ、あ、んぁ!! 激しい……あ、あ、はぁはぁ……あん、あッ……!!」 「仔空……気持ちいい……あッ、クッ……」  仔空の手を握り返してくれた玉風が、余裕のない声で囁く。 「仔空、なぁ、仔空……出すぞ」 「はい、陛下……」  玉風が腰を突き立てながら、仔空自身を手で扱く。 「あぁぁぁぁぁ……!! やぁあ……んん……あぁッ!!」 「仔空……ん、あぁ……仔空……!!」  仔空はそのまま寝台に精を吐き出し、同時に玉風は仔空の中にその熱い欲望を吐き出す。玉風自身から精液が吐き出されるドクンドクンという脈動を感じながら、仔空はその場に崩れ落ちた。膝がガクガクと震えて、体中が性感帯になってしまったかのようだ。  背中からそっと抱きしめられれば、愛おしくて泣きそうになる。 「陛下、ありがとうございます。こんな僕を抱いてくださって……」  涙ぐみながら一生懸命想いを伝えれば、 「其方は、まだそんな事を言っているのか?」  と、玉風が少しだけ呆れたように……しかし優しく微笑んだ。  離れてしまった体を惜しむかのように、優しい口付けを何度も何度も繰り返す。チュッチュッという、甘い音が心地いい。 「なぁ? 仔空、全然足りないぞ。もう一度だ」  甘えたように自分の胸にすり寄ってくる玉風を、仔空はギュッと抱き締めた。 (皇帝陛下でも人に甘えることなんてあるんだな……) 「なぁ、仔空、仔空……」   これじゃいくつ体があっても足りなさそうだな……そう思うと可笑しくなる。そんなことを考えながら、そっと玉風の髪を優しく撫でた。

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