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嬉しい現実

<sideルーファス> レンが怖がらない体勢がいいだろうと思い、どうやってしようかと尋ねた私に返ってきたのは私に抱きつきたいという、夢のような体勢だった。 レンと向かい合わせに座ると、レンの方からぎゅっと抱きついてくる。 昂った愚息が自分の腹とレンの腹に挟まれてそれだけで心地良い。 イシュメルの用意した薬を手に馴染ませ、レンの小さな尻に触れるとレンは可愛らしい声をあげた。 私の背中に回した手に力が入っているのに気づき、 「もっと抱きついていてくれたらいい」 と言葉をかけた。 レンへの優しさももちろんあるが、レンがぎゅっと抱きつくと愚息がさらに挟まれて気持ちがいい。 そんな邪な思いもありつつも、レンの後孔周辺を擦り、レンの力が少し抜けたところでレンの後孔に中指をプツリと挿入(いれ)た。 ああ、なんという気持ちよさだ! レンの中が私の指に吸い付いてくる。 指でこれほどに気持ちがいいのなら、愚息を挿入(いれ)たらどのようになってしまうのだろう……。 想像もつかないほどの快感に私は興奮しまくっていた。 中に入った指がレンの中をグチュグチュとかき混ぜるたびにレンは嬌声をあげ、身体を震わせる。 イシュメルの薬が効いているのか、それとも私との相性がいいのか……レンの入口も中もどんどん柔らかく解れていく。 誘われるように指を増やし中をかき混ぜていると、ある一点を掠めた時に一際大きなレンの嬌声が風呂場に響いた。 まさかこんなにも早く見つかるとは……。 やはり私たちは運命なのだな。 中の指を増やしレンのいい場所を念入りに刺激してやると、レンは可愛らしい声をあげながら蜜を溢した。 レンの温かな蜜が甘い匂いを発しながら、私の腹と愚息にかかる。 それだけで愚息は一気に上り詰めビュルビュルと大量の蜜を爆発させてしまい、私の腹と愚息もレンの腹と可愛らしいモノも、全て蜜に塗れてしまった。 ああ、なんということだ……。 レンに触れられることもなく、レンの甘やかな蜜がかかっただけで暴発してしまうとは……我が人生、一生の不覚だ。 レンは呆れていないだろうか……。 そう思ってレンの顔を覗き込むと、どうやらあまりの快感に意識を失っているようだ。 初日からそこまで激しい刺激を与えてしまったことに反省しつつも、己の恥を知られずに済んだことにホッとしていた。 私は急いで蜜に塗れたレンと私の身体を清め、一度湯船に入りレンの身体を温めた。 湯の中でもレンは意識を取り戻すことなく、身体を温めてすぐに風呂場を出た。 レンを大きくて暖かなおくるみに包み、そっとベッドに寝かせてから自分の夜着を羽織った。 クリフを呼ぼうとして目に入ったのは、レンのためのシロップ薬と水。 「クリフ……さすがだな」 そう感心しつつ、レンを起こさないように抱き起こしシロップ薬に飲みやすいように少し水を混ぜ口移しで飲ませた。 咽せないようにゆっくりと飲ませると、レンの喉がゴクリと嚥下する。 薬を上手に飲めたことにホッとしながら、レンを抱きしめる。 私の腕の中に愛しいレンがいる。 ああ、本当にこれが現実なのか……。 幸せすぎておかしくなりそうだ。 レン……私は一生お前を離したりしない。 一生私のそばで笑っていてくれ。 レンを抱きしめたまま私も眠りにつき、それからどれくらいの時間が経っただろうか。 きゅるるっと可愛らしい音が聞こえて目を覚ました。 今の音はなんだ? と思っていると、もう一度きゅるるっとレンのお腹から聞こえてきた。 ふふっ。 今の音はレンの可愛いお腹が鳴ったのだ。 可愛いレンはお腹の音も実に可愛らしいな。 すぐにでも食事を用意してやろうと思ったが、レンを見るとまだ眠っている。 うーん、どうしてやるのが一番良いか……。 そういえばイシュメルが言っていたな。 レンは食事の時間に関わらず、腹の空いた時に食べたいだけ食べさせてあげたほうがよいと。 ならば、起こしてでも食べさせてあげたほうがいいかもしれない。 少し可哀想だと思いながらも、名前を呼びかけるとレンは 「うーん」 と可愛い声をあげながら、私に擦り寄ってきた。 すんすんと嬉しそうに私の匂いを嗅いで安心したように微笑む。 朝からこんな幸せな光景が見られるとは……。 今日はいつにも増していいことがありそうだ しばらく寝顔を堪能していると、腕の中のレンが身動いだ。 ぱちっと大きな目が開き、大きな漆黒の瞳に私が写っているのが見える。 ふふっ。 レンが朝目覚めて一番最初に見たものが私か……。 本当に幸せだな。 レンは一瞬何事かと考えたのちに、一気に顔を赤らめたのは昨夜の風呂場での出来事を思い出したからだろう。 「あ、あの……ルーファスさん、僕……」 「レン、おはよう。身体にどこか辛いところはないか?」 「えっ? あ、おはよう、ございます……特に、何も……」 「そうか、それならよかった。昨夜は初日から激しくしすぎてしまって意識を失ったから心配していたんだ」 「あの、すっごく……その、気持ちよくて……だから、大丈夫です」 真っ赤な顔でそう教えてくれるレンの優しさに空気の読めない愚息がすぐに昂ぶろうとする。 こいつは本当に躾けないといけないな。 「身体が大丈夫そうなら、食事にしようか」 レンが頷くのを確認してベルを振ろうとした瞬間、レンが 「あっ!!!」 と大きな声をあげた。 「レン? 一体どうしたんだ?」 「あっ、ごめんなさい……。あの、ちょっと聞いておきたいことがあって……」 「んっ? なんだ? 気になることがあるならなんでも聞いてくれ」 そう聞き返した私に、レンが真剣な表情で尋ねたのは思いもかけない言葉だった。

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