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第41話 内輪のお披露目

 琉麒は白露を見るなり、花のような笑みを披露する。 「ちょうどいいところに。ついさっき手元に届いたんだ、これを身につけてほしい」  首の後ろに手を回されて、青色の宝玉が中央に据えられた首輪をつけられる。宝玉は琉麒の目の色にそっくりで、蝋燭の光を反射して瞬いている。黒の首輪は柔らかい皮で作られていて、重すぎず肌に優しい感触がした。 「どうだろう、着け心地は悪くないか?」 「何も着けてないみたいに軽くていいね」 「普段使う分にはちょうどよさそうだ、よく似合っている」  頬にキスを落とされて身じろぐと、ふふっと微笑まれた。  吸い込まれそうな瞳に引き寄せられるまま、白露も琉麒の頬に触れるだけの口づけを返す。琉麒は瞳を甘く細めて、白露の背を撫で下ろした。 「かわいいね、白露。約束なんて忘れて、このまま二人で寝室に篭りたくなる」 「えっ、それはダメだよ」  驚いて身体を離すと、名残惜しそうに白露の顎を撫でた指先が離れていった。 「ただの願望だ」  行こうかと促されて、宴部屋へと二人連れ立って歩いていく。  室内に入ると太狼がいて、見覚えのある虎獣人のおじさんと食卓の横に立って話をしていた。太狼は琉麒の姿を見るとパッと片腕を上げて挨拶をする。 「琉麒! 待ってたぜ」  気さく過ぎる物言いに、虎獣人が眉をしかめる。 (そうだ、この人は初めて琉麒と会った時に謁見室にいた人だ)  太狼や琉麒の方が背が高いが、虎獣人のこの人も負けず劣らず背が高くて、体つきは一番がっしりとしていて迫力がある。彼は低い声で太狼に対して注意をした。 「おい太狼、皇上と呼べ」 「今は公式の場じゃないだろ? 少しくらい目こぼししてくれてもいいじゃないか、頭の固いやつだなあ。白露、元気にしていたか?」 「こんにちは太狼、僕は変わりないよ」  にこっと微笑むと、太郎も親し気に微笑み返してくれる。琉麒が会話に割り込んできた。 「ずいぶんと打ち解けているんだね。白露を連れて旅をしている間は、一体どういう話をしたんだ?」  太狼はおや、と片眉を上げ腕を組んで、ニヤニヤしながら琉麒をからかった。 「皇上ともあろう者が、まさか臣下の忠誠を疑うのか?」 「疑っている訳ではない」 「そうだよな、ヤキモチ焼いてるだけだな、ははっ!」  太狼は腹を抱えて笑う。

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