珠玉
キーワードに癖があるので最初は読むのを躊躇いましたが、試しに読んでみたら1ページで虜になりました。そこから寝不足になりながら読んでいる間は早く続きが読みたいけれども読み終わりたくない、という葛藤に苛まれていましたが、今では、こちらでの先行更新が楽しみで仕方ありません。もう何度読み返したか分からないほど、中毒性が強いです。 主人公の和彦は、次々と癖のある男たちに愛されますが、常に愛されることに戸惑っています。そして逆に男たちをしなやかに振り回していくのです。しかも無自覚に。あれだけの男たちに代わる代わる愛され、相反する性質を詰め込めば、キャラクターが破綻したり不自然な箇所があってもおかしくないのに、逆に応援したくなったり幸せを願ってしまいます。男たちを甘やかすだけでなく、時に冷酷な面を垣間見せる和彦は読者をも魅了する生粋の魔性の男なのです。脇役達はいずれもスピンオフで主人公になってもおかしくないぐらい魅力的で、一人一人の息遣いが聞こえてくるようです。 そしてキャラクターだけでなく、瞼に情景が広がるような圧倒的な表現力、濃厚な濡れ場、謎や意外性が程よく散りばめられた胸が高鳴るストーリー展開など、とても魅力を語り尽せません。このお話はタチが悪いことに、重厚であると同時に不思議と人懐っこく心に入り込んでくるのです。番外編と合わせて楽しむことで、更に世界に浸る事ができます。もう私はこの物語の魔力に囚われ逃げ出すことは不可能です。そしてこの檻は非常に心地よく、いつまでも留まっていたくなるのです。お薦めです!
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