圧倒的表現力から生まれる、官能の世界
かつて不世出の名優と呼ばれるも表舞台から影を消した男性が、後継者として一人の青年を監禁し調教するお話なのですが、豊かな語彙から生まれる官能的な描写が非常に素晴らしいです。 檻の中で行われる匂い立つような密事。ありありと浮かぶ情景の描写。 また、最初から最後まで変わらないようでありながらも、少しだけ変わる二人の関係。 舞台をイメージさせるようなラストシーンが、今後の二人の関係性を想像させてとても良かったです。 佑也は絶対に屈しないからこそ、堕としがいがあるといいますか。今後どうなっていくのだろう、と想像の余地が広がります。 特に佑也の若さゆえの生意気さ・虚勢を張る姿・不屈の精神が、橘の心を少しずつ溶かしていく所……とても素晴らしかったです。 作者様は読者にその後を想像させるような描写が巧みです。 とても良いものを拝読させていただきました。 個人的に好きなのはやはり白鳥の描写ですね。自由に空を飛び美しく舞う白鳥が、人の手によって捕まり、汚され、閉じ込められて堕とされる様の描写。すごくたまりません。 8~11話の自慰シーンがとてもエロティックに、しかしものすごく美しく描写されていて素晴らしいです。綺麗な香り高い濃密なエロスが詰まっています。その後のブランケットをかぶって身体を隠しながらも舞台に上がっているかのように美しく詩的な言葉で橘を罵倒する佑也……身体は篭絡されても心は屈しないというのがまざまざと表れていて本当に好きです。 そして19~23話の口淫、すごく萌えました。なんというエロティシズム。そこからの25話からの怒涛のエロス。素晴らしいです。私は乳首責めが好きなのですが、すごかったです。もちろん、その後も……ここから先はぜひ皆様の目で確かめて頂きたいです。個人的に、34話のオルガスムスからのクリスマスの街の描写が素晴らしすぎて、思わず息を呑んでしまいました。なんという表現力でしょう。 誇り高く何物にも囚われぬ白鳥と、それを飼いならし後継者として育てようとする男。捕食者と被捕食者。絶対に愛が生まれるはずもないのに、ふとした時にお互いに見える不思議な感情。屈しない佑也とそれを良しとしていなす橘。そんな二人の関係が本当に好きです。ぜひ、ご一読を。