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第4話 -6

 時雨に犯されてからまだたった1時間かそこらしか経っていない。市倉の節ばった太い指を後ろの秘めた場所はすんなりと受け入れ、軽くピストンを繰り返される。襞が刺激され吐息が溢れるも、市倉はすぐに指を引き抜き、シャワーを手にした。 「言っときますけど、俺セックス自体3年半振りですからね」  その時期は確か自分が抱かれるようになった頃だ。自分のせいなんだろうか、そう考えてしまうがそれ以上に興奮してしまう。  久し振りだからなんて言葉、少しも気にならない。それどころか、久し振りのセックスの相手が自分で、今から3年以上誰も触れなかったそれが挿入される。  密着した身体では、興奮はすぐに伝わってしまう。シャワーノズルを外していた市倉は、自らの腹に触れる感触に笑いユサユサと軽く上下に揺らし刺激を与えながら襞の奥へと湯を入れた。  女好きかもしれないが、男相手にしたことがない口振りだったのは絶対に嘘だ。胎いっぱいに湯を注ぎ込まれ、洗い出されながらも指は時雨が触れてきたあの場所に触れる。軽く押されるだけでも嬌声が溢れ、上下に揺らされるのと合わせ今にも絶頂してしまいそうだ。  あんなにも嫌がっていたのに指先だけで善がる悟志を見てくつりと笑う。何度も何度も胎いっぱいに湯を注ぎ、抜きを繰り返し、その都度前立腺をぐりぐりと指の腹で抉られ、もう限界だった。 「ぃち、くら、ぁっ」 「生ハメは駄目。財布ん中に確かゴム入ってるんで取ってきますね」 「やだ、生でいい」 「だーめ。後でお腹痛くなるのは坊ちゃんですよ」  そんなの、本当に腹痛になった時に考えればいいのに。鼻を鳴らし嫌がる悟志をひょいと軽く抱き上げ、自分が座っていたバスチェアに座らせ脱衣所に向かってしまう。もう達してしまいそうなのに寸止めの状態で放置されるなんて。悟志は戻ってきた市倉の足を掴み、まだ少しも反応を示していないそれにまた唇で触れた。  自分の目の前に立つ男のそれを舐めしゃぶり、早く欲しいと腰が揺れる。市倉ももう拒否も拒絶もしない。20歳以上も年下の、我が子同然の男に奉仕させ、髪の毛を指で梳いてやった。 「本当に、坊ちゃんは我慢が苦手ですね」 「?」 「ここまで美味そうにしゃぶってる奴、初めて見ましたよ。そんなに美味いですか?」  聞きながらも返答は求めていない。口腔に含ませたところで頭を掴み、少しだけ腰を揺らす。唇から離れるか離れないか、その程度のピストンに足りないと益々愛撫が激しくなったところで掴んでいた頭を無理に離れさせた。 「っぁ、や」 「またイったら勃たせるのに時間かかっちゃうんで、欲しいならゴム嵌めてください。それとも、身体もう碌に動きませんか?」  腕がもう少しも動かないことから、市倉は自らの体液塗れの唇を綺麗な方の指で拭ってやりながら問う。本当はまだ動くが、避妊具には触ったこともない。身体が動かなくなったことにすれば後はもう抱かれるだけ。達してしまいそうなのを隠しもせずにこくりと頷く。  市倉は、そんな悟志をまた軽々と抱き上げ、浴槽の中に入りそっと下ろした。市倉に背を向けるようにして浴槽の縁に寄りかからされた悟志が顔だけで振り向くと、手早く避妊具を装着し終え覆いかぶさるように抱き締めてくる。 「布団の上ならもっと優しくしてやれるんですけど、風呂じゃ流石に厳しいです。すみません」  潤滑剤もない場所では、湯の中でするしかない。中腰の姿勢で市倉のそれが挿入され、時雨の時よりも太く、硬いものがみちみちと悟志の胎内を圧迫していった。

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