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第4話 -8
甘イキが止まらない身体は触れるだけでも過度に反応を示す。ようやく解放されたあとも、市倉に身体を委ねたまま腰を何度も跳ねさせた。
ゆっくりと、それでも初めより深くまで入るようになったお陰か腰の動きは早まる。足を大きく広げられ、腰が揺れる度に悟志の欲望がぴくんと反応を示すのが丸わかりだ。
市倉は、啜り哭くような嬌声を上げ続けるそれに何度も耳元にキスを落としながら肌を撫で続けた。
「いい子ですね、いい子。もうちょっとで全部挿入りますよ」
言いながら、市倉の指は二人が交じり合っているそこに触れる。大きなものを受け入れ限界まで張り詰めていたそこは、それだけの刺激でもびくんと揺れ、また悟志は湯の中に射精してしまった。それを見ながら、市倉はまた悟志の肌を撫でた。
「また出せたんですね。坊ちゃんは本当にいい子だ」
声を抑えようとし、達するだけでいい子だと何度も褒められる。その褒める声が甘く、耳元で囁かれるだけで腹の奥がきゅうんと何度も疼き止まらない。
もう何度目かもわからない絶頂に、身体は躾けられたからではなく怠さで動けなくなる。それもわかっていて尚、市倉はその身体を支えたまま緩やかなピストン運動を続けた。
漸く全部挿入された頃には、悟志はもう逆上せかけていた。それでもやめるのは嫌だという言葉に従い、また最初と同じように俯せのような体勢に。違うのは、市倉が立ち上がったために腰が持ち上がり、結合部を湯の外に曝け出す形になっていた。
腰を掴まれ、今までは小刻みだった腰の揺れが大きくなった。じゅぷじゅぷと水音を立て市倉のそれを受け入れながら、何度も中をヒクつかせる。緩急も激しく、太いそれは動くだけで快感を与えてきていた。
潤滑剤がないために湯の中でしていたためか、ピストンするごとにほんの少しの隙間から湯が溢れる。女と違って自分で濡れることができないそこは、潤滑剤代わりだった湯がなくなっていき、滑りが悪くなってきてしまった。
痛いことは隠していたが、ピストンが摩擦で鈍くなり市倉も気付く。抜いた方がいいかと半分ほど引き抜いたところで、市倉は小さく声を上げた。
「?」
「すみません、ゴム破けちゃいました」
全て引き抜き、破れた避妊具を外す。亀裂が入っただけで中に残してはいないようだ。
それは適当に浴槽の縁に置き、突然なくなった喪失感から大きく口を拡げひくひくと痙攣していたそこを指でなぞり、親指を挿入された。
そんな刺激じゃ足りない。咎めるような悟志の声に、市倉は今更やめはしないと生のままで昂りを宛てがう。
「こんなに吸い付かせて、生で欲しくて堪らないって身体が教えて来てるみたいだ。坊ちゃんは本当に、いい子ですね」
ずぷりと埋め込まれ、今までよりもずっと早く、激しい動き。まだ必死に声を堪えている悟志に、市倉はそろそろ限界だと耳打ちする。
「坊ちゃん、俺と一緒に悪い子になりますか?」
「な、ぅ、っぁ、にゃぅっ」
口が回らず、それでも受け入れる言葉に市倉は満足そうに笑う。少しだけピストンを緩めたかと思いきや、一気に根元まで挿入され、その衝撃で悟志は堪らずに限界を迎えてしまった。それとほぼ同時に、中に溢れ出る市倉の欲望が溢れ出る感覚。
段々と圧迫感がなくなっていくそれは胎内に擦りつけるようにピストンを繰り返し、湯の中で体位を変えながら市倉は優しくくちづける。もう芯を持っていないのに何度も繰り返されるそれは、まるで自分の味をその身体に教え込もうとしているようだ。
やっと引き抜かれ、中に溢れさせた欲を掻き出しながら市倉はぐったりと自分にしなだれ掛かるそれのこめかみにキスを落とした。
「あの人に内緒で、悪い子になっちゃいましたね」
「いい子じゃ、ない?」
「俺から見たらいい子。いっぱいイけて偉いですね」
悟志の所有者である父に内緒で、市倉の子種を胎いっぱいに受けてしまった。世話係で、親代わりだった市倉にこんなにも激しく抱かれてしまった。
悪い子という言葉に少しだけ不安になる。だが続けられた言葉だけで、払拭するには充分すぎるほどだ。
悟志は、頰を撫でられ満足げに全身を委ねた。
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