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命の選択-14

「颯太。どこ行ってたんだよ?」 「役所と着替え取りにと会社に電話」 「そう」 「具合悪くない?」 「大丈夫だって。颯太は心配しすぎ」 「顔色悪いし横になってなよ?」 颯太は俺の手を握りながら頭を撫でてくる。 ホントは横になっている方がいい。 でも。 今は……。 「起きてる方が楽?」 「うん」 違う。 ホントは颯太の体温を感じていたいだけ。 「傷痛まない?」 「起きてる方がいいから」 傷はかなり痛い。 でも颯太にくっついていたいから。 「颯太夜帰る?」 「帰らないよ」 颯太はそう言った。 帰って欲しくなかった。 ずっとそばにいて欲しかった。 颯太の心臓の音聞いているとだんだんと眠気が……。 ******* 次、目を覚ますと颯太の親父さんがいた。 「颯太は?」 「颯太は夕飯食いに下に行った」 「由貴くん。起きておくなら抱っこしようか?」 いや。 颯太以外にされたくないし。 「いいです」 「遠慮することない」 「いや、遠慮とかじゃなくて」 颯太の親父さんは無理やりだきあげてきた。 そこへ。 運悪く颯太が戻ってきた。 「ただいまって何してんの?」 「何って起きてる方が楽らしいからな。なのに遠慮して」 「ホントに大丈夫だから」 「由貴くんに触らないでくれます?」 そう言いながら颯太は抱き上げてきた。 「ちょっと熱あるよ?看護師呼ぶ?」 このくらい平気だし。 なんともないから。 「大丈夫だから」 「大丈夫って言ってもな」 「さっき唯川って看護師さんが来てたぞ。これ預かった」 莉音先輩が俺の担当の看護師になったってさっき言いにきてたな。 颯太は莉音先輩が渡していた手紙を受け取るとメールしていた。 「私は帰るから。そこのバカ息子が盛ってきたら遠慮なく張り倒していいからな」 「そんなことしないって」 莉音先輩と入れ替わりで颯太の親父さんは帰っていった。 「由貴くん。橘なんかにくっついてないで寝とかないと。熱あるわよ?」 「でも……」 「添い寝しようか?」 「橘!」 「由貴くん。寂しいんでしょ?」 俺が答えないでいると。 颯太は布団に入り込んできた。 「はぁ。橘、由貴くんの管とか点滴とか外れないようにしなさいよ?」 添い寝してもらうのは嫌じゃない。 ただ。 恥ずかしいだけで。 「由貴くん。もう寝ようか?」 体がダルいから颯太の言うとおりに寝た。

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