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みにくいあひるのオメガ

(僕と朱、同じ双子なのになんでこんなに違うんだろう……?)    同じ教室で同じ顔をした双子の朱がクラスメイトに囲まれているのを僕は静かに眺めていた。  とある科学研究所で爆発事故が起きた。  遺伝子研究をしていた高性能大型遠心分離機の過剰稼働による爆発で世界にあらゆる動物の遺伝子が散らばった。  当初はただの爆発で何事もなかったように過ぎていったが数年経ったある日産まれた赤子には猫の耳が生えていた。  それから産まれてくる子供にはいずれも何かしらの動物の遺伝子が混在し、その特徴を持つようになった。  第一世代と呼ばれる子供たちが思春期を迎えた頃、更に重大な遺伝子異常が見つかった。  第二次性徴とともに彼らの中に、男の中に女性の、女の中に男性の染色体が組み込まれている、両性のような存在が現れた。  ごくごく少数の彼らは検査の結果、男性でも妊娠が出来る、女性でも妊娠させることが出来る、新たな性であることが分かった。  これを第二性、オメガバースと呼ばれるようになった。  調査を進めていくうちに、男の中に更に男性の染色体が組み込まれた性やその逆も発見され、性の分類が細分化され、第一性が男女に関わらず第二性が男であるものをアルファ。第二性が女であるものをオメガ、第二性が発現しなかったものをベータと呼ぶようになった。  それも今は昔。  いまでは地球上あらゆる人は動物の遺伝子を持ち、第二性が決められている。  一卵性の双子の僕たちは同じ時に産まれ、同じように育ったはずなのに、中身はまるで逆だった。  小さい頃から僕は運動するより、おとなしく本を読むのが好き。朱は活発で外で遊ぶのが好き。  小学校に上がる頃には既に二人は見た目以外は全くの別物になっていた。それでも家族で双子だから一緒にいるのが当たり前だった。  こうして高校生になっても一緒にいるがそれは決して仲がよいから、ではない。 『玄は僕の引き立て役なんだから、ちゃんと地味でおとなしくしていてね?僕はこの学校で金持ちのイケメンαゲットするんだから』  朱はそう言っていた。  だからだろう、今も学校でイケメンと呼ばれる人たちに媚びを売るような仕草で話している。  僕の学校はαやΩの対応に評判がよく、特にΩは特待生扱いで入学出来る。僕の家は貧乏ではないけどお金持ちでもないからβだったら入れなかっただろう。そう、僕たちは一卵性の双子で、Ωで、白鳥だ。  鳥の獣人と言ってもふたりともちょっとだけしか特徴は出なかった。  羽根が生えることもないし、もちろん飛ぶこともできない。  出るのは髪の毛。肩まで伸びるとそこが羽根になる、それだけ。  朱はその特徴を最大限利用して、髪を伸ばし器用に編み込んでふわふわと可愛らしい髪型にしていた。 『玄には似合わないから短いほうがいいよ』  だから僕たちの見た目の区別は髪型だけなんだ。  僕の背中に覆いかぶさるように男が伸し掛かる。 「はっはっ、イイな、締まる……あいつとは大違いだなっはっ」 「んっ……ぁっ♡やっ、ら、あっ♡」  この学校で一番の金持ちで一番のイケメンで、将来は父親の会社を継ぐことが決まっているαの男。  その男が僕のアナルを犯している。  ずちゃずちゃという音に男の吐く息が混ざる。  朱がこの男の番になりたいと知っていて、こんな事になるなんて……  朱は可愛い。だから何人かの男とそういう関係になっているのを僕は知っている。なんせアリバイ作りに使われるから。  デートがバッティングする時に断りに行くのは僕。大抵は普段明るい朱がしょんぼりとしてるように見えるからみんな快く受け入れてくれる。  ランチのときの手作り弁当も僕。朱は手が荒れるから嫌だって料理もしなければ掃除も出来ない。  誕生日プレゼントを買いに行くのも僕。朱が見ているのは男の顔と金であってその中身ではないから何を買えばいいのか分からないらしい。  朱の相手が増えるたび、僕はその男のことを陰で調べては好みを把握させられる。別に知りたくもない男たちの趣味や好みを覚えるのは面倒だったけど、朱に頼まれると断れない。家族だから?双子だから?  今日も朱は別の男に会いに行った。確か担任だっただろうか?成績の悪い朱は先生との関係で留年だけは免れている。  もともとこの男との予定はなかったらしいのだが、突然のお誘いにデートだけなら僕でも構わないだろうと朱に言われ、こうして出向いたところに僕の発情期がやってきた。 「っ、考え事か?余裕、ありそう、だなっ」  僕の背後の男はそう言うと僕の身体を抱き起こし、膝に乗せた。自重でもっと奥まで当たることになって僕のアナルがぎゅっとなる。 「あっ♡ちが、あっ♡そこ……あっ♡やぁ♡」  男が僕の乳首を両手で捏ねる。親指と人差指でぐにぐにとされると、そこはピンと立って真っ赤になっていた。ぷっくりと膨れた乳輪が擦れて気持ちがいい。  もっとして欲しくて胸を反らせて強請る。 「おっぱい、きもち、い♡もっと、ちょうだい?あっ♡いいっ♡おっぱい、すき♡あっ♡」 「発情期とはいえ、普段のお前とは大違いだな……乳首弄ると、中も締まるなっ」  僕の中でまだ大きくなる男のおちんちんを締め付けると男は悦に入ったのか僕の項に口付けた。  発情中はそこも性感帯だからか、ぞくぞくする。 「こんな、無防備でいいのか?噛んでやろうか?」 「だめ、かんじゃ、だめ♡だって、朱、朱が……」  僕が振り向くと男の顔が目の前にある。学校イチのイケメンと言われるだけはある。白虎な彼は白と黒の混じった髪の中に、興奮しているからかいつもは隠している耳がぴこぴこと動いている。  こんな男に抱かれているんだと思うと、胸が破裂しそうに高鳴る。  そのまま見つめ合いながら愛撫を受ける。  彼の大きな掌が僕の薄い胸からゆっくりと下がっていく。少し浮き出た肋、落ち窪んだ臍、薄い腹と、その下にある子宮を意識させながら、彼のおちんちんで少し膨らんだ下腹部を撫でられる。  潤んだ瞳で彼の目から離さずに、少しずつその距離を縮める。  揺らされているから、彼の顔に触れたり離れたり、鼻が当たって、あと少しで唇も触れそうになる。  僕の薄く開いた口から熱い吐息が漏れる。  彼の蒼い目が細められて、それに吸い寄せられるように、唇を重ねた。  触れるだけのキスをされて、お返しをして、何度もそんな他愛のないキスの繰り返しに焦れた彼が僕の後頭部を掴むと、長い舌が差入れられて僕の唇が食べられる。  口の中いっぱいに彼の舌が這う。喉の奥まで舌が届いてのどちんこに触れて、そこから上顎をつぅっと撫でるように引かれる。甘さを感じる舌を追うように僕の舌が伸びる。唇は離れたのに舌だけで絡み合う。熱い舌に冷たい空気が触れる。 「……ぁっ♡はっ♡んっ♡」  溢れた涎を舐め取りながら下唇に舌を這わせ、上唇をぺろりと舐められた。 「ちゅう、だめ、朱、が、朱がっ♡」 「朱、朱って……どうせアイツは今他の男のところなんだろ?」  耳朶を食み、その中に舌が入る。下から聞こえる音と同じ音が耳元から聞こえてくる。  項を指がなぞり、意識がソコに集中させられる。 「なぁ、いいだろ?ここ、噛ませろよ。あんな尻軽より、お前のほうがよっぽど具合がいい」 「っゃぁ♡僕、ちゃんと、すきなひと、と、あっ♡つがい、に……やっ♡」  彼の右手がぎゅっと僕のおちんちんを握った。既にだらだらと精液を零していたからぬるっとした感触がしてぷるんと手からすり抜ける。  僕のおちんちんがぺちんと僕の腹に跳ね返る。 「いるの?好きなやつ。でももう処女じゃなくなったし、俺で良くない?」  この男は、自分が一番でないと気が済まない男だ。散々朱に言われて調べたから性格は把握している。  自分以上の男はいないと思っているから、僕みたいな平凡な男が他の男を好きだと言うのがイラつくのだろう。  いやいやと首を横に振って拒絶を示す。 「あっ♡だって、あっ♡ぼく、あっ♡」 「言えよ、そいつより、俺のほうがイイって分からせてやるから、ほら。こっちは俺のがイイって言ってる」  僕のアナルはギチギチに彼のおちんちんが挿っているのに、更にそこにもう一本、指が挿れられる。 「やっ♡も、むりぃ♡いっぱい、いっぱいだから、はいんなっ♡」 「嫌なら言えよ、噛んでって、俺の番になるって。言えばお前のこと、大事にしてやるから、ちゃんと可愛がって、愛してやる」  僕はアナルが更に締まる。目からぽろりと雫が落ちる。 「ほんと?ほんとに愛してくれる?ぼく、あなたが、あなたのことが好き、好きなの♡あっ♡おっきく、なったの、なか、すごい♡あっ」  僕の言葉に彼のおちんちんは更に硬度を増した。起こされていた上体をまたベッドに押し付けられる。もう僕の身体は自分で支えられないからべったりとシーツにしがみついた。  彼の動きに合わせて乳首とおちんちんがシーツに擦れてそれも気持がいい。 「あっ♡はげし、っ♡いいっ♡しんじゃ、うっ♡きもちいいの、いいっ♡すき、すきなの♡つ、つがい、つがいにしてっ♡噛んで、ね♡あっ♡あっ♡」  彼は僕の項に何度もキスをしながら腰を揺らす。少し凸凹した彼のおちんちんが僕のアナルを出入りするたびに僕のおちんちんからもぴゅっぴゅと精液が漏れてシーツを濡らす。 「っイく、噛むぞ、玄っ」  彼が初めて僕の名前を呼んだ。  噛まれた項から僕のアナルまで痺れが走って中でイくのが分かる。  彼が番になったのを身体全体で理解する。  発情誘発剤飲んで来て本当に良かった。一か八かの賭けだったけどこんな上手く行くとは思ってもみなかった。  朱がいつも言っていた。 『Ωは有望なαに番われてこそ、その価値があるんだから。なんにもしなかったら手に入らないんだよ。玄は僕が素敵なαを得るために頑張ってもらわないとね。僕に番が出来たら、その時は玄にもそれなりのα、見つけてあげる』  朱がこの男の番になりたいと知っていて、こんな事になるなんて……  なんてゾクゾクするんだろう。
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