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僕の彼氏はAV男優

…体を拭いたら本番だっ! 僕は心の中で気合を入れる。 僕はバスローブだけを体に纏うとゆっくりと脱衣所を出る。 京平さんはもう先に行ってしまっていた。 京平さんの方もしっかりとバスローブを身に纏って出て行った姿を見ている。 そして、さっきの現場へと戻ると京平さんの言ってた通りにスタッフさん達は準備の方は整っていた。 カメラに証明…その他のスタッフ。ベッドを囲むようにしてそこには数人の姿があった。 そんな姿を見てしまうと今日、こういう事を初めてする僕にとっては緊張でしかなかった。 僕の相手をしてくれる京平さんはどうやら、スタッフさんと話をしているらしい。 この会社は出演者がストーリーというのか適当に話を作るというのか、ま、ある程度は京平さんの頭の中でストーリーが出来ているのであろう。その後は行き当たりばったりと言ったらいいのかな?そんなような事を京平さんはさっき言っていたような気がする。 …ま、今日、僕はこういう事初めてなのだから、京平さんに今日は任せた方がいいって事かな? ただ、僕は脱衣所の近くで突っ立って、緊張を解す為に息を吐く。 だが、緊張というのは直ぐに解す事は出来ない。 何回深呼吸したって、心臓の高鳴りが治る事はなかった。 やがて、京平さんはスタッフさんに話が終わったのであろう。僕の所に来る。 「もう、玲音君は準備はいいかな?」 「え?あ、はい…少し緊張はしてますけど…」 「ま、そこは仕方ないよ…だって、こういう事初めてするのに緊張しない人間なんていないからね…」 「あ…」 …確かにそうだ。京平さんの言う通りかもしれない。 と思うとまた緊張が少し解れたようにも思える。 「じゃあ、もう、大丈夫かな?」 「え?あ…」 「大丈夫!今日は玲音君は初めてだっていうのは知ってるから、私がリードするし…寧ろ、マグロでいいんだからね…」 「ま、マグロって!?」 「そういう言葉も知らない?!マグロって何もしなくてもいいって事なんだけど…?」 「何もしなくてもいい?」 「うん!何もしなくてもいいって事…」 僕は未だにその意味が分からず、首を傾げながら京平の事を見上げる。
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