2306 / 3225

番外編 狙いは僕と子どもたち

「誰かが面倒をみてやらないと青空がかわいそうだろう。罪を償いまっとうな大人になるって約束したのにな。あまされて」 つんつんにとがった短い前髪を指ですきあげる蜂谷さん。 「俺だけは何があっても青空の味方でいる、そう決めたんだ」 「僕も、青空さんの味方です。チカちゃんもだよね?」 「え?アタシ?」 チカちゃんが目をぱちぱちさせていた。 「罪を憎み人を憎まず。茨木さんがよく言っているだろう」 「まぁ、それはそうだけど、青空が優しいのはハチと未知限定のような気がするよね。他の人には容赦ないじゃん。めっちゃ睨まれるし、喧嘩腰だし、口調だって全然違うじゃん」 うん、うん、紗智さんと那和さんが大きく二度も頷いていた。 やがて黒光りする大きな門構えの家が見えてきた。組のみんながずらりと門の前に一列に並び僕たちを出迎えてくれた。

ともだちにシェアしよう!