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番外編 陽葵にまで焼きもちを妬かなくてもいいのにな

「鞠家なら何か知っているかも知れないな。阿部さんから教団から家族を取り返すために奮闘している弁護士たちがいると聞いた。息子の行方に繋がる手がかりが掴めればいいな」 「うん」 彼の大きな手が頭をぽんぽんと撫でてくれた。 「ハチ、陽葵を頼む」 「オヤジ、いい加減姐さん離れして一人立ちしたらどうだ?」 「残念だったな。未知の前ではばぶばぶの赤ん坊だ」 「は?」 僕の腕のなかで目を擦り、うとうとしていた陽葵。彼がそっと抱き上がると、蜂谷さんの腕に静かに下ろした。 「ハチ、あとは頼んだ」 さっきまで陽葵がいた場所にごろんと横になった。 「大人げないぞ」 「何か言ったか?聞こえない」 彼が目を閉じた。 「たく、自分の娘に焼きもちを妬く親がどこにいるんだ。てか、ここにいるか。陽葵、お兄ちゃんたちのところに行こうな。俺たち、すっごく邪魔みたいだから。あぁ~もぅ~頼むからまだ泣くなよ。泣くんじゃないぞ」 おろおろしながら、チカちゃんたちのところに陽葵を連れて行ってくれた。 「天気がいいな」 「うん、そうだね」 「眩しくて寝れない」 「日よけになるか分からないけど……」 彼の顔を手で覆うと、 「サンキュ」 ちゅっと軽く手のひらにキスをしてくれた。 「そのうち電話が掛かってくる。来たら起こしてくれ」 そう言うと、規則正しい寝息を立てて眠りはじめた。

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