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プロローグ
「ひぃっ……あ、も、もう、むりぃ……」
依吹 の声が虚しく響いた。
下半身では激しい水音が上がり、依吹の体が魚のように跳ねる。
「おら、もう一本いくぞ」
言葉とともに、後孔に挿入されていた指が更に増やされた。
みっちり広がった依吹のそこには、二人の男の指がそれぞれ二本ずつ埋まっている。
ぐちゅ、ぬちゅ、と襞をまくりあげるような動作で、それが抜き差しされるのでたまったものではなかった。
「ああっ、あんっ、も、もう、もうだめっ」
「泣き言言うな。若のはもっと太い」
「ほら、イブキちゃんのイイとこ擦ってあげるからガンバレ~」
依吹の中の、ぷっくりと腫れたようになっている前立腺を指の腹で容赦なく押され、依吹は悶えた。
「ああ~っ! あっ、ああっ」
腹に付きそうなほど勃起していた陰茎の先から、どぴゅっ、と白濁が散った。
「あ~、イっちゃった」
「感度がイイのは結構だが、相手は若だ。もうちょっとタフになってもらわなけりゃキツイな」
「いやいや、若いから余裕っしょ」
依吹は後ろを弄られるショックと、経験したことのない法悦で忘我の状態であったのに、男たちがそう言いながらまた指を動かし始めたから、全身をくねらせて悶えた。
「も、もうやだ~っ!」
なぜこんなことになったのか。
この春から新生活……希望に満ち満ちた新生活を、送るはずだったのに。
まさか依吹の新しい門出が、刑務所でスタートするなんて。
二か月前には、夢にも思わなかった……。
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