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第二曲

『♪~♬~』 ドイツの大ホールでヴァイオリンを奏でるのは、黒髪の男性ー活躍しており美形のヴァイオリニストとして名を馳せている新地弥生(あらちやお)の演奏をパソコンの動画で見て一時停止してから結弦は、イギリスに居る友人が送ってくれた紅茶を淹れてから戻った。 紅茶を飲みながら 「何でこの人が・・・」 何で新地が結弦に作曲依頼をしたのか、分からない。しかも結弦が封印している雨を題材にした曲の依頼だ。 「・・・」 結弦は、鍵を開けて机の引き出しから封筒と一枚の写真を出す。その写真には音大を卒業したばかりの結弦と一人の男性が写っている。 「貴方の為だけに作ってのに、どうして・・・」 写っているのは、恋人・・・男同士だったが好きになって付き合った世界的に有名だったヴァイオニスト灰田律矩(はいだりつのり)だ。灰田は、4年前の梅雨、突然結弦に 『雨を題材とした曲を作ってくれ。』 と依頼して来たので駆け出し中だった結弦は、灰田の依頼を喜んで受けた。恋人から初めての依頼と言う事で張り切って書き上げたが、曲が完成したと連絡をする前に受けた連絡は灰田が自ら命を絶ったという訃報だった。それから4年、雨を題材とした曲は灰田の為に作った曲だけを作り、雨と言う題材は封印したが、依頼して来た新地は灰田の友人でライバル関係だったがプライベートとかなり親しくしており、何度か会ったが苦手だった。 「・・・新地さんがか・・・」 呟いてからまた新地の演奏を聞く。演奏を聞いていると亀井からメールが届き、新地との打ち合わせは来週の月曜日になった。
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