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朝帰り
次の日、他のΩの甘ったるい匂いをさせて、夏陽は朝、帰ってきた。
そんな…………!
…………浮気。
浮気された…………
愕然とする。
αが浮気をするのは、特に珍しい事じゃない。
番をたくさん作るαも多い。
でも、どこかで夏陽を信じてた。
…………自分だけを大切に思ってくれるんじゃないかと。
夏陽には俺だけじゃない……
…………特別でも、なんでもなかった。
同時に気付いてしまった。
………………それでも。
こんな扱いを受けても、夏陽が好き。
別れたくない……
浮気を見ても、好きって……なんだよ……
いつの間にか、夏陽は自分の中で大きな存在になってた。
どうしよう……
浮気されても、側にいたいなんて…………
その日、久し振りに、朝から夏陽に抱かれた。
俺が浮気に気付いてる事を知ってるのか、知らないのか、
優しく優しく抱かれて、涙が出そうだった。
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