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第19話

(んー……頭がふわふわする……) 俺は目を閉じたまま適当に首を動かす。 (……ん?なんかいい匂い……) なんで自分ん家からそんないい匂いがするのかと不思議に思って、目を開け身体を起こす。 「い゛」 体を起こすと、腰とおしりが物凄く痛かった。 これまで感じたことのない倦怠感、痛みがある。 それでもキョロキョロと周りを見渡し、状況を把握しようとする。 すると、明らかに自分の家ではない光景が視界に入ってくる。 「あー……そっか」 俺は身体を動かす度に軋む身体と、所々血が固まっている皮膚を見て思い出す。 シーツにも若干血がついてる。 「嶋くんの家だ……」 俺はふわぁとアクビをして特に何を思うでもなく、床に足をつけて起き上がる。 (あーでも流石に……) この格好で嶋くんの元へ行くのには抵抗あるな、と思った俺は適当にタオルケットをお借りして頭からタオルケットに包まれる。 扉を開けて、覗くとキッチンで調理をしている嶋くんの後ろ姿が見えた。 (いたいた……) エプロンをせず、菜箸を持って調理している姿はちょっと微笑ましかった。 気づかれないようにそっと近寄って嶋くんの後ろに辿り着く。 そして手元をちょっとだけのぞき込むと、美味しそうな卵焼きがあった。 「……あ、卵焼き……」 そう呟くと、嶋くんは肩を揺らし「わ」と言った。 その姿もなんだか可愛いな、って思った。 (そっか、可愛い……これが可愛いって事か) 感情がちゃんとある事に俺は安堵する。 逆になんで今までこんな事を思わなかったのか不思議なくらいだ。 「……み、三上さん起きてたんですか」 嶋くんは若干気まづそうに目を逸らす。 「うん。    それ、朝ごはん?」 そう問うと、嶋くんは「ええ、まぁ」と応えた。 (あ、口調が戻ってる……) 「俺の分もある?」 訊くと、コクッと頷いた。 (可愛い……) ちゃんと年下みたいだ、と俺は思い満足する。

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