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第20話

「すごいね……」 俺は特に表情を変えずに……というか、変わらないだけなんだけども、無表情のまま手を合わせて「いただきます」をした。 (どれから食べようかな……) と、手を伸ばすとどこかがチリッとした。 いや、キリッ? どっちにしてもどこかが痛かった。 「……っ」 それに気づいたのか嶋くんが眉を寄せてお箸を置いた。 「……嶋くん?」 問いかけても応えてくれないので、「食べないの?」と言うと、嶋くんは大変申し訳ない、と顔に貼り付けたまんま「すいません」と謝ってきた。 「……うん?どうしたの?」 俺はコテンッと首を傾げる。 (なにが?卵焼きに殻入れちゃったのかな……) 「俺、三上さんに酷いことしました……」 嶋くんはそう言って本当に申し訳ない、と再び頭を下げた。 「え?ああ、あれ酷いことなの……?」 俺は言われるまで酷い、なんて思わなかったので素直に問い返す。 (酷い……酷いかな……?) 「ええ、酷いと思います」 ちょっと引いた目で見てくる嶋くん。 「……うーん、よく分からないけど、俺、人よりおかしいから大丈夫だよ。    ご飯食べよう」 それより腹が減った、と俺は箸を動かす。 「いや、あの、アナタは平気でも俺はダメなのでせめてなんかお詫びさせて欲しいッス」 嶋くんはその揺らぎない瞳を俺に向ける。 その瞳の中には俺ではなく、罪の思いしかないのを俺は知っていた。

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