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第7話

「なっ、何する……んっ!?」 眼鏡と眼鏡がぶつかって、次の瞬間には唇を奪われる。 おいおい眼鏡は勘弁しろ! 南極に眼鏡屋はねーんだ、歪んだらどうしてくれるんだ! ってかこの状況! 男に触られてキスされてるってどういうことなんだ!? 何がなんだか分からずに、ただものすごい速さで心臓が脈打っていた。 心臓が破裂するんじゃないかと思っていると、その左胸の先端を指でつままれる。 「ひゃあっ……!?」 恐怖と怒りと、それからなんだ!? 妙な興奮が俺の中で爆発した。 このヘンタイめ! “問答無用で従えるようにしてやる”って言ってたけど、カラダで言うこと聞かせられるとでも思ってんのか!? ふざけんな! いやマジで……こいつに抱かれたらどうなってしまうんだ。 様々な考えが脳髄を通過し、同時にゾクゾクとしたものが背筋を駆け抜けた。 俺はなんとか魔の手から逃れようと、上に乗っている鳳さんの胸を力いっぱい押し返す。 けれど塞がれている唇すら離れない。 嫌だって言わなきゃ! 助けてって叫ばなきゃ! こんなの、黙っていたらいいようにされるだけだ。 ところが声を上げようと口を開くと、開いた口の中に熱い舌をねじ込まれた。 ヤバいっ、ダメだこんなの!! 頭の中で危険信号が点滅した。 熱い手に触れられた体が自分のものじゃないみたいに興奮し始める。 口の中を這い回る舌の感触が、無防備な脳をとろけさせた。 「はぁ、はぁ、はぁ」 ようやく唇が離れた時には、淫らな手に下半身をもてあそばれていた。 「やっ、おいっ、そんなとこ触んなよ……!」 素直に反応してしまう陰茎を、素手で無造作にしごかれる。 ダメだこんなんじゃ、速攻でイかされる。 ダメだと思う気持ちとは裏腹に、快楽に従順な体が刺激をねだるように揺れていた。 そんな自分にあせる。 「だからっ、ダメだってホントに!」 乱れる呼吸の中訴えると、鳳さんが俺を追い詰める手を緩めた。 「元気に勃たせてるくせに! ここが嫌ならこっちだな」 根元をつかんだまま、今度は余った指で後ろを探られる。 「や! 待て待て! 意味分からん!」 「研究室にこもって“お勉強”ばっかりしてるからだ。世界を知るには実践こそ重要だ」 「実践って、俺の専門分野はそこじゃねえし!」 俺の専門分野は惑星科学だ。人体は医学と生物学でなんとかしてくれ。 ところが鳳大河は訳知り風に言う。 「おまえの専門分野は宇宙の神秘だろ? それならここにもあると思う」 「ンなわけあるかー!!」 叫んだ瞬間、やつの言う“宇宙の神秘”に長い指をつっこまれた。 「あああああ!!」 そんなとこ、親にも触られたことないのに! やつはそのままつっこんだ指で、神話の神さまみたいに宇宙を攪拌し始めた。 「馬鹿っ、何す……っ、殺すぞ!」 「殺してみろよ! おまえみたいのに、殺される人生も面白い」 「このヘンタイがー!!」 「けど殺されてやる前に、まだやることが残ってるな」 やること!? 不穏な言葉に背筋が凍りつく。 鳳さんは中をかき混ぜていた指を引き抜き、その汚ぇ手で防寒着の前を緩め始めた。 「え……」 俺も逃げればいいのに馬鹿みたいに見入ってしまう。 床に転がる懐中電灯の光しかない暗いコンテナの中、やつの体の大きさに見合った禍々しいブツが取り出された。 殺される前に殺す気か! 俺は反射的に肘で床を這い、後ろへ逃げる。 けれども鳳さんの踏み出した片ひざに、一瞬で追いつかれてしまった。

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