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第10話 一五日目    10/10

■  叫び声をあげて飛び起きる。 「はぁ、はぁ、はぁ……」  Tシャツがぐっしょり濡れて、体に張り付いている。  これであの男に殺されるのは三度目だ。  慌てて周囲を見渡す。  そこは黒く薄い壁に覆われたネットカフェのブースの中だった。  スマホを見れば、まだ午前三時二〇分である。   (お、俺が殺されるのは、今日の深夜か……)  匡伸は震える両手で顔を覆う。 (もう嫌だ、あの男に殺されたくない)  殺される時は本当に痛くて、辛いのだ。  切られた喉がもやもやする。かきむしりたくなるのを、こらえる。  血に濡れた包丁男の顔を思い出す。  暗く淀んだ瞳、しかし男は最後に笑っていた。  匡伸は、パソコンを起動してネットでホテルの予約をとる。  ネットカフェより高くつくが、背に腹は代えられない。  その日、授業を終えた後、匡伸は予約したホテルに向かった。駅近のビジネスホテルなので、行く道も人の通りが多い場所だった。  ホテルでチェックインして、部屋に入って、まず部屋の中を一つ一つ確認する。   (誰もいないな……)  部屋の鍵はきちんとかかっている。  それでも匡伸は安心出来ず、ベッドの上に座って一夜を明かした。  眠い頭のまま仕事に行って、どうにか仕事をこなしてホテルに行く。  泊まるホテルの場所は変えている。  あの恐ろしいストーカー男に絶対に、見つかりたくなかった。 つづく

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