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第16話

* 呼志side * ヤバい……マジでハマる。 あんなの、学校に居たんだな……。 男なのは充分分かってるけど……女みてぇなキレイな顔と細い体、可愛い従順タイプかと思ったら思いっ切り毒吐いて来るし……何かあの、敵意剥き出しな目と強気な感じに……すんげぇ煽られるんだけど。 学校なんてかったるいだけのとこだって思ってたけど……あいつが居たら違うわ…。 既に、早く明日学校行きてぇとさえ思ってるからな、俺。 「何、今日、様子変だぞ」 俺のバイト先のオーナー兼先輩の、天羽(あもう)さんが言う。 「え?そうっすか?」 しらばっくれてみるけど…… 「何だよ、本命の彼女でも出来たか?」 「えっ………」 黙ってしまって……一瞬でバレた。 だが、本命だけど、彼女じゃねぇ。 ここは、天羽さんが運営してるバー。 俺はここでスタッフとして週2回だけ働いて居る。 まぁ、思いっ切り年齢偽ってるけど……天羽さんからの誘いで働いてるから、店公認だ。 その辺はまぁ、バレなきゃ良いぐらいの感じで…。 「呼志がカウンターに立ってたら、注文の入りが良いんだよ」とか言われて、あれよあれよで働く事になった。 天羽さんは俺より10も年上だけど、天羽さんを慕う先輩達にここへ連れて来られて、出会った。勿論、同じ高校を卒業してんだけど、天羽さんが居た頃の話が伝説として何個も残ってる。面倒見がすごく良くて筋が通ってるとこが俺が天羽さんを慕ってる理由。 と言いながら、未成年の俺に年齢を偽らせて店に立たせてしまう様な適当な所も何となく好きで、俺はこの週2回のバイトが良い息抜きになっててちょうど良い。 「彼女じゃないんですけど、」 「じゃあ何だ」 「1こ下の学年の奴で、」 「あ?」 瞬時に天羽さんの眉間に皺が入る。 「統学って今も男子校だよな?」 「はい」 「男に惚れたのか?」 「…思いっ切り一目惚れです」 お前が!?と、すんげぇ驚いた顔をされる。 「そんで何悩んでんだよ」 「…すげぇ手強くて」 「はぁ!?お前が手こずってんの?」 まぁ、そういう反応になるだろう。 俺は今まで、自分から押した事なんかねぇし、ちょっと気に入った奴が居てもその日の内に大概落とせる。それぐらい、相手に困った事など無かった。 だけど、素生は違う。 俺の事を拒絶して逃げまくる。 「お前が、男相手にしてるとはな。まぁ、女はめんどくせぇ時あるからな…周りが男だからそっちに走る気持ちも分からなくはねぇが…」 俺は男も知ってる。 俺は専ら攻める方で、たまに性欲処理的にやってた男も学校内に何人か居る。 それは勿論合意の上で、後腐れない体だけの関係だ。 女とは違うセックスに、それはそれで興奮もするし気持ち良いとも感じる。 男だろうが女だろうが、挿入場所が違うってだけでやる事は一緒だ。感じる場所だってさほど変わりは無い。 「で、何がそんなに手強いんだよ」 天羽さんの一言で、頭ん中が素生の顔で満タンになる。 一気に、だ。 「何かすげぇ拒否られてて、」 「は?拒否られてんの?」 「いちいち突っかかって来るし」 「それ、脈無しじゃねぇの?」 脈無しと聞くと、すっげぇテンション下がるんですけど…。 「今は脈無しかも知れないんですけど、とにかく俺はアイツを俺のもんにしますっ」 「どした、ほんとにマジじゃん」 「マジですよっ、俺、マジで惚れてるんですっ」 かなり力説した俺に、天羽さんはちょっと苦笑してるけど……とにかく、俺はアイツを俺のもんにしねぇと落ち着かねぇ。 モタモタやってて他の奴に狙われでもしたら最悪だ。 ぜってー落とす。

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