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最終章

絶望だけを残して夜が明けた。 カーテンから差し込む朝日は弱々しく、雨音はしだいに強まっていくようだ。 一晩じゅう泣き続けた玲は、今は子供のように体を丸めてぴくりとも動かない。 もう楽にしてやりたい──。 ただ切にそう願っている。それなのに、玲の首筋を掴んだ手には少しも力が入らない。 「……俺を殺して……」 掠れた呟きが、数時間前の玲のものと重なる。 はじめは一つの命だった俺たちに、どちらか一方だけの死なんてきっとありえない。現に玲が死ぬなんて想像しただけで、今にも呼吸が止まってしまいそうだ。 「……玲……」 折り重なるように玲の上に体を預けると、長いまつ毛がぴくりと震えた。 「俺のこと愛してる?」 何も言わずに頷いた玲を、そっと抱きしめる。肌の感触も体のつくりも、何もかもが昔とは違う。だけど純粋すぎるその心は、きっと幼い頃のまま、罪に囚われたままで震え続けている。 「じゃあ、俺と生きて?」 優しく髪を撫でながら囁くと、小さく息を飲む気配があった。 ゆっくりと体を起こし、泣き腫らした目蓋にキスをする。 「俺がお前を殺すまでの間でいいから……」 唇に噛みつき、舌を吸い上げる。闇色の瞳は瞬く間に潤んで、枯れたはずの涙を溢れさせた。 「もうお前を一人にはしない」 愛おしくて堪らない──。 それはずっと前から分かっていたはずなのに。 もっと早く会って、気づいてやるべきだった。早く殺して、自由にしてやるべきだった。あの幼い日の悪夢から──。 玲の腹部に跨ったままシャツを脱ぎ捨てると、その瞳はようやく俺を捉えた。情欲の炎が灯る瞬間がはっきりと分かったのは、俺自身も同じ状態だからだろう。 「……っぁ、」 痛いほどの力で腕を掴まれ、体勢が入れ替わる。飢えた獣のようなぎらぎらした瞳に見下ろされ、背中がぞくりとした。 「……ッ、ひぁ……っ……!」 首筋を強く吸いあげられ、ズボンの中が荒々しい手つきで弄られる。これから起こることへの恐怖と期待が、一気に全身を火照らせていく。 「……ンっ、ァっ、……っぁ……!」 硬く芯をもちはじめた性器を下着の上からゆるゆると扱かれ、思わず腰が揺れてしまう。 罪の意識を感じれば感じるほどに快感は増して、じゅわりと溢れだした蜜があっという間に下着を湿らせた。

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