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【2】

廊下を歩いていると、角から急に人が出て来た。 「うぉっ!」 打つかる直前に何とか踏み止まる。 其処には背の高いイケメンが立っていた。 確か・・・一年の田所航生(こうせい)って奴だ。 街を歩けばスカウトされまくり、他校にも多数のファンクラブが有り、偶に読者モデルもやっているという噂の。 近くで見てもかなりのイケメンだ。 神様は何でこんなにも不公平なのか。 「あの、阿川紘人さんですよね?」 何故イケメンが俺の名を? 「・・・そうだけど」 「俺、田所航生っていいます」 「はぁ」 「ちょっと来てもらえますか?」 「え?」 理由を問い掛ける間も無く腕を掴まれ、グイグイと連れて行かれる。 え?何? 何で俺、拉致られてんの? 擦れ違う男共ににチラチラと見られながら、人気の無い廊下の隅まで連れて行かれた。 田所が立ち止まり、やっと手を離す。 「何だよ、急に!」 「ごめんなさい。どうしても話したかったんで」 「は?何を?」 「阿川先輩、恋人居ますか?」 「は?」 フラれたてホヤホヤの俺に超絶イケメンが地獄の様な質問をブッ刺して来た。 これは何の拷問だ? 「恋人居ますか?」 また聞きやがったな、この野郎 「居ませんけど?今は」 悲しい強がりだと分かっていても、言わずには居れない最後の一言。 「そうですか!良かった」 田所が花の様な笑みを浮かべた。 俺が女子ならうっとり見ただろうけど、生憎と俺は男の子だから! 「何なんだよ、一体」 「俺と付き合ってもらえませんか?」 「は?何処に?」 田所が首を傾げる。 「あ、いや、そうじゃなくて・・・えっと・・・、あ、そうか」 田所が真っ直ぐに俺を見た。 「好きです。俺と付き合ってください」 ドラマとか映画ならここでドラマチックな音楽がかかるのだろう。 しかし、これは現実だ。 無音、ただひたすらに無音。 「あの・・・、え?」 「返事は直ぐじゃなくて良いですからゆっくり考えてください。じゃあ」 それを見た女子なら全員うっとりするであろうアイドルクオリティの笑顔を見せ、田所は俺を置き去りにして去って行った。

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