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【3】

「紘兄?どうしたの?」 「え?」 「今日、何か有った?」 「あ、いや・・・」 流石に男に告白されたとは言い難い。 でも、何かモヤモヤするから話したい。 話すとすれば・・・やっぱり相手は友哉(ともや)しか居ない。 「あのさ」 「うん」 「一年の田所航生って知ってるか?」 「あの・・・読モとかやってるって噂の?」 「そう」 「まぁ、一応は」 「その田所に告白された」 「はい?」 「俺の事好きなんだと」 友哉の眉間に皺が寄る。 「何それ」 「何かの罰ゲームとかだろ」 「それにしたって失礼な話じゃない?」 「まぁな」 「明日俺が話して来るよ」 「駄目だ!友哉は近付くな」 「でも・・・」 「いくら歳下だからってあんな危なそうな奴をお前に近付けたくない」 「そんな危ない奴なら紘兄も近付かないでよ」 「俺は良いの!でもお前は駄目〜」 「紘兄!」 「おじさんとおばさんに頼まれてんだよ。お前の事頼むって。だから俺にはお前を守る義務が有るの」 友哉が辛そうな顔で下唇を噛んだ。 「大丈夫だって。俺がちゃんと話つけるから」 「・・・何か有ったら直ぐに言ってよ?」 「おう」 何かを我慢している様な顔をしている友哉の頭を笑いながらくしゃくしゃに撫でた。 次の日の朝、いつもの様に友哉に手を引かれ半分眠りながら歩いていると、友哉が急に立ち止まった。 どうした?と聞こうとして目を開けると、少し先に田所が立っていた。 「おはようございます」 「ど、どうした?」 「一緒に行こうと思って待ってました」 満面の笑みを浮かべる田所を見詰めながら、友哉の前に立つ。 「田所」 「はい」 「一つ聞きたい事が有る」 「一つでも二つでもどうぞ」 「何で俺なんだ?何かの罰ゲームか?」 田所がきょとんとした顔をした後、少し俯く。 やはり何かの罰ゲームなのだ。 「歩きながら話しましょう。遅刻したら大変ですから」 「そうだな」 歩き出そうとすると、友哉が俺の手を握った。 友哉に目を遣り、微笑みながら頷く。 友哉の手が、そっと離れた。 田所と肩を並べ、少し後ろから友哉が付いて来る。 「先ず、罰ゲームではないです。先輩を好きになった俺が我慢出来ずに告白しました。次に先輩を好きになった理由ですが、一ヶ月位前の雨の日、先輩捨て猫に傘あげたでしょ?偶然それを見たんです。その時はドラマみたいな事をする人って本当に居るんだなぁって思っただけでした。そしたら次の日学校で先輩を見掛けて。それから先輩が目に付く様になって、いつの間にか探す様になって。先輩が笑うと俺も嬉しいって思う様になったんです」 田所が俺を見て、本当に嬉しそうに笑った。 「だから今こうやって並んで歩けてるのが夢みたいです」 「本当に・・・俺の事が好き・・・なのか?」 「はい」 真っ直ぐに俺を見詰める田所の瞳に嘘は感じられなくて。 そうは言ってもやっぱりまだ信じられない。 それでも、これだけは伝えておかなければならないだろう。 「田所」 「はい」 「俺は女の子が好きなんだ」 「俺もです」 「・・・は?」 田所が子供みたいに無邪気な笑顔を見せた。

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