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第4話

西園寺グループと天王寺グループは、何かと仲が悪いのは世間でも有名であり、それは先祖代々続いている……、犬猿の仲。 子供たちには大人の事情など関係ないはずだったのだが、たまたま西園寺家の長男と天王寺家の三男が同い年で、同じ学校に通うことになり、どちらも秀才なのは間違いなく、ことあるごとに比べられる事態が起きていた。 テストはもちろん、運動やコンテストなどなど、順位がつくものはなんでも比べられていた。 まあ、秀才の二人だからこそ目立っていただけなのだが、なんの嫌がらせか、神様は意地悪だったのか、天王寺がいつも1番になり、雅也はいつも2番目という結果に。 本人の雅也はそれほど気にしている様子はなかったのだが、弟がそれをまったくもって快く思っていなかったのだ。 なんとか天王寺を貶めようとしていたのは、浅見の中でも黒歴史に近かった。 兄の雅也をなんとしても天王寺よりも優れさせたいと、影で仕組む雅臣と何度か張り合ったこともあったほどだ。 「厄介なことになりそうだな」 ため息を溢しながら、浅見は再度眼鏡を正す。 「厄介とはどういう意味なのだ、冬至也」 「すでに姫木が巻き込まれている、一筋縄では解決しないということだ」 「姫に何かあるというのか!」 浅見の言葉から、姫木に危害が加わると悟った天王寺は、怒りの形相で浅見に詰め寄る。 「それは分からないが、何かしらのアクションは起こすだろう」 「許せぬ。姫に何かするというのならば、この私が許さぬ」 「正確には尚人、お前に何かをしたいのだろう、だから姫木に近づいた」 眼鏡を曇らせた浅見は、姫木を利用して天王寺を陥れようとしていると話す。 つまり、天王寺と姫木の仲を知ってのことだと察しがついた。姫木を天王寺から奪って、悔しがる姿をみたいのか、はたまた姫木を利用して天王寺に一泡ふかせるつもりなのか、現時点では浅見にも分からなかった。 「西園寺雅臣……」 天王寺は胸に刻むようにその名を口にした。

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