30 / 34
第30話 ひとつになる
中が裂け、出血したように感じた。無意識に首を振ってしまい、後頭部を床に打ちつけた。
腰が痺れてくる。中で脈打つ加賀谷さんのものの圧倒的な質量に息ができない。
「入った……入ったよ、晴之」
見上げると加賀谷さんが大きく息を吐いていた。加賀谷さんを見ようとしたが、焦点が合わなかった。
私の中にいる加賀谷さんのものが、びくりと震えた。
「ん、ん」
「あ……俺がちょっと動いただけで感じちゃう?」
「うん、ん……感じる……ちょっと苦しくて……お、奥が……疼く、ような……ん、ん……」
中から、加賀谷さんの息遣いが伝わってくる。自分たちはひとつになったのだと実感した。徐々に視界がはっきりして、加賀谷さんの表情がわかった。
愛おしそうに私を見つめている。目が合うと微笑んでくれた。その笑顔はいつも見せてくれる穏やかな表情とは少し違った。
むせかえるほどの色気が漂っている。汗と蒸気で潤んだ肌は、うっすらと桃色になっていた。
私は手を伸ばして、加賀谷さんの前髪に触れた。湿っているけれどやはり硬かった。つんつんした感触は、普段の加賀谷さんの髪と同じだった。
その手触りに安心して、私は息を吐いた。
躯から力が抜け、自分を貫くものの逞しさを感じた。
私だって男だから、張り詰めた自分のものを触ったことは何度もある。でも、こんなに強い力はなかったと思う。
恐る恐る、合わさっている箇所を見た。私の腰は折り曲げられていたから、そこは容易に覗くことができた。
加賀谷さんの欲望は、深く、深く、私を貫いていた。
限界以上に広がりながらも、私の窄まりはおいしそうに彼のものを飲み込んでいる。
視線を上げると、入りきらなかった加賀谷さんの褐色の根元と濃い下生えが見えた。
「あ、あ……本当に、くっついてる」
「そうだね、くっついちゃったね」
驚く私を、加賀谷さんは面白そうに見つめている。私は両手で加賀谷さんにしがみついた。
「すごい……中で……どくんどくんって、いってる……」
「俺も、晴之を感じるよ。熱くて潤んでいる。しばらくこのままでいようか。晴之の躯が馴染むまで待っていよう」
「うん。それなら……お願い」
私は、加賀谷さんの唇を奪った。
「たくさん、キスしたい」
「うん、いっぱいしよう」
貪るように、深いくちづけを交わした。
舌を差し込まれたら、感じてしまうから、貫く加賀谷さんのものを締めつけてしまう。その度に、加賀谷さんは呻いた。
加賀谷さんの舌を吸う度に、彼の躯から精液を搾り取っているように感じた。
音を立てて唇を離すと、加賀谷さんは私の頭をやさしく撫でた。
「晴之。いい子だから、もう少しがんばろうな」
「うん、ん……ああ」
私の両膝を抱え、加賀谷さんは腰を動かした。
引き抜かれたとき奥が疼いた。差し込まれると中がいっぱいになる。力強い加賀谷さんの欲望を受け止めるのがやっとで、すぐに私の呼吸は乱れた。
「ん、ん――」
「くっ、すごい締まる……」
加賀谷さんはゆっくりと抜き差しをする。気遣っているのがわかる。
大丈夫と言いたいのに、声が出なかった。
あるところを抉られたとき、更にきつく中が締まった。中が引き攣ったような感じがする。加賀谷さんは唸った。
彼の硬い欲望がひときわ、大きくなる。更に奥へと進んでくるので、私は彼の腕を掴んだ。
「いや……あ、ああ」
「ここだろ……いっぱい、擦ってやるからな」
ともだちにシェアしよう!