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第6話

 跳ね上げ式の手すりを上にあげて座席と座席の間に収納すると、貝塚は常盤を窓側へと誘った。  カーテンの閉じた窓に手をついた常盤が、片膝を座席に乗り上げた格好で尻をこちらに突き出してくる。  丸いヒップのラインが強調され、貝塚は俄然興奮した。  常盤がバスガイドの制服のズボンを太ももまで下ろした。  そして自分でTバックの紐を指にかけ、その奥の窄まりを露わにした。  チラっと股の向こうに見えた陰茎は、いまは黒いハーネスは外されているようだった。 「ぬ、濡れているので、すぐに挿れれますよ」    恥ずかしそうに促され、貝塚は生唾を飲み込む。  白い尻も、いやらしい色の蕾も、バスガイドの制服も。常盤のなにもかもが貝塚の欲望を刺激してくる。 「ですが、本当にいいんですか? お試しの機会を、これに使って……」  これ、と常盤が言ったのはアナルパールのことだ。  たぶん他の乗客はオナカップや亀頭責めの淫具などを使わせてもらい、乗客自身が気持ちよくなったのだろう。  しかし貝塚は一番最後という順番もあり、先ほどすでにAVで一発ヌいていたので、いまは自分が出すよりも常盤が乱れる方が見たいという気持ちが強いのだった。 「いいんです。バスガイドさんの孔に、挿れてみたいんです!」  きっぱりと言い切った貝塚は、丸い玉が連なっているその玩具を手に、意気揚々と常盤の孔に挑んだ。  黒くぬらぬらとテカる玉を、まずはひとつ。  ぬるつく(ひだ)に押し当てると、常盤のそこがひくりと蠢き、玉の形に開いてゆくのがよく見えた。 「ガイドさんのお尻、すごいですよ」 「あっ……」 「どんどん開いて……ほらっ」  とん、と押し込むと、くぷっ、とひとつめのそれが吸い込まれた。 「ああっ」  常盤の背がしなる。 「これって何個ぐらい入るもんなんですか?」  貝塚は男性相手はこれが初めてで、勝手がよくわからずに、けれどまだまだ余裕だろうと二つ目、三つ目を押し入れていった。    ごり……と中でボール同士がぶつかっているのだろう。その度に常盤がビクビクと反応し、尻が揺れて淫靡だった。  四つ目、五つ目の辺りで常盤が、 「も、もう……」  と首を横に振った。 「お腹がいっぱいです……」  貝塚を振り向いた常盤の眉が、悩ましげに寄せられていて、その色香に()てられてしまう。 「お腹? ちょっと触りますよ?」  貝塚はスレンダーな常盤の、肉付きの薄い腹を探った。  下腹部を前から押してやると、常盤が呻き声を上げる。 「うぁ……、だ、ダメです。押したら……」 「出そうですか?」 「は、はい……」 「でももう一個ぐらいいけそうですよ」  言うなり貝塚は、六つ目のボールをぐいっと挿入した。 「ひぃっ」  悲鳴を零した常盤の尻が、貝塚から逃げるように前へ出る。  それをゆるさずに引き戻して、七つ目を挿れる。……が、ごつ、と前の玉に当たって阻まれた。これが限界か、と貝塚は諦めたが、不意に後ろから伸びてきた手があって、強引にそれを押し込んだではないか。 「あああっ」  常盤がひと際高い嬌声を上げた。  手の主は、イケメン添乗員の風見だった。  彼は爽やかなスマイルを貝塚に向けると、 「常盤に代わって私が使い方をお教えしますね」  イケボでそう囁いて、最後の八つ目の玉を手に取るよう、目線で促してきた。 「もうひとつ入りますよ。そうだろ? 常盤」       風見に問われ、常盤が首を横に振る。 「む、むり、むりぃ……」 「貝塚さん。これはアナル用に設計されたものなので、大丈夫です。それに常盤は無理にされるのが好きなタチなので、どうぞ挿れてみてください」  風見に唆された貝塚は、七つ目の玉が少し覗いている常盤の後孔に、コツ、とそれを当てた。  風見がこくりと頷く。  自信満々な彼の仕草に背中を押され、貝塚はぬぷっと玉を押し入れた。 「う、うそっ、あ、あ、は、はいるっ、あ、ああああっ」  アナルパールに中を圧迫された常盤が、縋るようにカーテンを掴んだ。  はぁはぁと肩で息をしている彼は、苦しそうではあったが、性器は快感を示して勃起しているようであった。  なるほど、風見の言う通りだ。  いやらしいバスガイドの恥態に貝塚の息も上がる。   「貝塚さん。こちらの商品は、まだ楽しみ方があるんですよ」  風見がにこりと笑って、貝塚に耳打ちしてくる。 「手元のボタンを長押ししてみてください」  貝塚は言われるままに親指で持ち手のボタンを押した。すると、ブブブブブブと振動音が鳴りだす。 「ひっ、あっ、ああっ、あんっ」  常盤が腰を振って乱れだした。 「パールのひとつひとつにモーターが埋め込まれているんです。ボタンを押すたびに振動パターンが変わりますよ」  風見の説明を聞きながら、貝塚はそれを試してみた。  振動パターンやその強弱は簡単に変更でき、使い勝手が良かった。常盤もかなり悦がっているので使い心地も良いのだろう。   「貝塚さんのコンドームをお借りしてもいいですか?」  常盤の反応に夢中になっていると、不意に風見にそう問われ、貝塚は頷いた。  風見が箱からゴムを一枚手にとり、パッケージをペリ……と破ると、腕を伸ばして中のそれを常盤の性器に装着した。 「あっ、あっ、あっ、あっ」  切れ切れの常盤の喘ぎを平然とした顔で聞きながら、風見が軽く眉を上げた。 「そろそろ限界なようですからね。お客様のシートを汚さないように」  小さく笑った風見が、常盤の尻を掴んで捏ねた。 「ああっ、あっ、そ、それ、したらっ、ナカ、動く、からぁっ」  尻たぶを捏ねくり回されることで体内の玩具がゴリゴリと動くのだろう。  こらえきれない快感に、常盤が口を閉じることもできずに喘ぎ続けている。 「貝塚さん」  風見に呼ばれ、貝塚は男へ視線を向けた。  唇だけを動かして、風見がなにかを告げてくる。 「え?」  問い返した貝塚に、風見がやはり声に出さずに囁いた。  『一気に引き抜け』、と。  貝塚はごくんと喉を鳴らすと、持ち手の部分を握りなおし、ぎゅっとちからを込めた。  そして。  思いきり、手を引いた。 「ひっ、~~~っっっ!!!」  声にならない悲鳴を上げて。  常盤の背が限界までしなった。  ビクっ、ビクっ、と全身が痙攣している。  アナルパールを抜かれる衝撃で絶頂に達したのだ。  ブブブブブと唸り声を上げている玩具を咥えていた彼の孔は、ぽかりと開いて。  内側の熟れた色を覗かせた。    閉じ切らないそこを隠すかのように、片膝を座面に乗り上げていた常盤から、くたりとちからが抜けて。  そのまま彼は座席にへたり込んだ。   「商品の使い方はわかりましたか?」  風見に確認されて、貝塚は何度も頷いた。   「それでは、残りのツアーもお楽しみくださいね」  爽やかにそう言った風見によって、いやらしいバスガイドさんは回収されていった。ついでにアナルパールも回収された。 「俺もそれ選べば良かったよ」  通路を挟んだ向こう側の乗客に羨ましげな声を掛けられ、後ろの座席の乗客には羨望の眼差しで見つめられた貝塚は、自分がものすごい偉業を成し遂げたような気分になって、常盤の残り香がありそうな椅子にいそいそと座りなおしたのだった。  

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