361 / 362

361

 二人の関係を知って  俺は逃げ出し  翠也は覚悟を決めた  決めてくれたのに 「あ  き や」  すまないと 口に出すには軽々しい  けれど他の謝罪も見付からず ただ彼が見詰め続けただろう霍公鳥を眺める 「  翠也 あ い    」  届かない言葉は謝罪の様で 上手く口から出なかった  代わりに 呟く 「  今日も 月が綺麗だよ 」  沸き上がる思いに 言葉が詰まる  獣ならば 二人 共に飛べただろうか、  もしも二人が ただの画家と少年で在ったならば  美しい月夜を 手を取り合い 歩いて行けたのかもしれない  けれど今となっては  ただ美しい月が在るだけだ 終.

ともだちにシェアしよう!