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第42話

「それで、これからどうするつもりだ。勝手に騎士を動かしたんだろう?」  第一騎士団の騎士数名と、近衛騎士団の団長がなぜ力を貸したのかは分からない。けれど彼らは、王の剣であり、盾であることを放棄したのだ。 「最初はひとりでアレックスを探そうと思ったんだ。だがヴィクターがマクスウェル伯爵を連れて城に乗り込んできた」 「伯爵が? なぜ?」 「それは俺にも分からない。マキシム団長と話をしていたようだが、その後俺が呼び出された。あとはお前の知っている状況になった」 「分からないことが多いな」 「マキシム団長の話だと俺は懲罰房に入らなくていいそうだ」  首を捻りながら考えを纏めようとするも、情報が足りない。しかし、ヴィクターとエドガーには感謝を伝えなくてはならないだろう。 「根本的な理由は分からないままか……」 「俺たち下の人間がそこまで気にする必要はないだろ」 「それは、そうだが……」  話を聞いている間、アレックスは自分の体の変化に戸惑っていた。この部屋はグレイグの匂いが強くて落ち着かなかったけれど、こうして対面して話しているとだんだん淫らな気分になってきたのだ。  もどかしく思いながらベッドの上でもじもじしていると、グレイグが微笑む。 「どうしたんだ?」  ようやく思いが繋がった恋人の表情は嬉しそうで、既にアレックスの状況を分かっているようだった。  それでも問いかけくるのは意地が悪いとしか言えない。  大人になってからは抱かれることは少なくなり、今では抵抗も感じる。それでも、今は心と体は渇望している。 「分かってるだろ。お前が欲しいんだよ!」  腕を伸ばして男の首に回し、軽く口付けて乞う。ぺろりと自分の乾いた唇を舐めるとグレイグの瞳に獣欲が浮かんだ。 「お前に求められるのを、ずっと待っていたんだ」  そう言うと、噛みつくようにキスをされて喉が仰け反る。荒々しく深い口付けにすぐに息が上がった。 「ま、待て」  そのままグレイグが行為を続行しようとする手を掴む。制止されたグレイグは不機嫌な顔を隠さないで、強引に進めようとする。  アレックスは上着を脱がされて慌てて距離を取った。 「風呂に! 入らせてくれ!」  何日も風呂に入っていない自分の姿を想像すると、さすがのアレックスも悲鳴を上げざるを得ない。 「気にするな」 「そういうわけにもいかないだろ」  拒否し続けていると、グレイグは仕方がないと肩を落として願いを聞き入れる。 「だが、俺も一緒に入るぞ」  子供のようにわがままを言うグレイグは正直かわいく思う。だがともに入れば悪戯されるのは予想できた。  梃子でも動きそうにない様子に説得を諦める。下手をするとこのまま続行すると言われてしまいそうだ。  渋々頷くと、寝室と繋がる浴室へと案内された。体力は随分と回復していて自分の足で歩くことができた。それを残念そうにしているグレイグには呆れてしまう。  大人ふたりならばゆったりと入れる広さの浴室で、アレックスはグレイグに体を洗われた。  何日も監禁された疲れから、これ以上反発する気力もなかった。  心配していた不埒な真似はされずに綺麗に洗われた。  今は湯の中で後ろからグレイグに抱えられている。後ろから項にキスを何度も落とされる。  しっとりと濡れた砂色の髪は額や頬に張り付いている。服の下で日焼けしていない肌を擽るようになぞられてぴくりと震えた。 「ここでする気か?」 「俺はそれでも構わない」  耳を擽るように囁かれ、後ろから回された両手が胸を這う。胸の飾りに触れられてぎゅっと目を閉じた。 「さすがに、前ほど感度はよくないな」 「うるさい」  耳に舌を這わしながら、乳首を押すようにして刺激される。 「でも気持ちよさそうだ」  グレイグの指を押し返すように胸の突起が尖り始める。二本の指の腹で挟むと捏ねるようにされた。

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