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黒執事の愛玩具15

 ――あと五分くらいしたら、解放してやるか。  考えながら明生は理仁の後孔に埋め込んだエネマグラをグリグリと弄り、理仁の粒を摘まみ上げた。先ほどまでの緩い刺激から一転し、刺激を強めた。 「ひ、ああぁっ、……いやっ、やめっ……あぁっ…うぁッ……」  身体を震わせ屹立から蜜を零し、口を閉じることもままならない様子で理仁が身悶える。明生は時折チラリと横目で時計を確認しながら、理仁が達するギリギリの感覚を長く味わうことが出来るよう、緩急をつけながら愛撫を続けた。 「も、やだっ……抜いてっ、明生っ……いやぁっ……」  まだ、後孔のみでの絶頂を迎えることが出来ない理仁にとって、明生が屹立への刺激を調整することは、射精管理をされているのと等しい状態だと言える。 「やめろと命令するならば、やめてもいいですよ。あなたは私の主ですから」  ――命令、だからな。  意地悪くこぼれ出た自分の言葉の大人げなさに、明生は呆れてしまった。理仁を抱きたいと思っているくせに、抱くなら自分の意志がいいと思っている自分に嫌気が差す。主と執事ではなく、普通に抱き合えないか、と思ってしまっているのだから、情けないにもほどがある。 「イかせて差し上げましょうか? ご命令とあらばいつでも」  自分で言って自分の言葉に心が痛む。明生が声をかけると、理仁は辛そうな顔で見上げてコクリと首を縦に振った。 「あぁっ、ふっ、……あ、だめっ、出るっ、……あああぁっッ――」  理仁の合図に明生の手が屹立を無造作に擦り上げる。慣れた胸の粒と同時に刺激を与えてやると、理仁は不自由な身体を揺すって白濁を散らせた。  理仁を固定していた拘束を解き、後孔から器具を抜き取る。抜き取られるときにも声をあげ、身体を震わせる様は美しい。  いまだ息の整わない理仁に視線を向けて、明生は最終確認を行った。本気で、この続きをしたいのかどうか。それと……。 「理仁様。最終確認をしたいのですが、かまいませんか?」  明生の問いに、理仁は乱れた呼吸の合間に『いいよ』と答えた。  理仁の答えによっては、明生は今後の立ち位置を決めるつもりだった。特別な仕事の一環として理仁を抱くのか、御柳明生として理仁を抱くのか、その選択を決めることが出来るのは明生ではなく理仁の方だ。その選択権は明生にではなく、理仁にだけ与えられているのだから。 「貴方は、私に仕事の一環として抱いてほしいと思っておられるのですか? それとも、御柳明生として抱いてほしいと思っておられるのですか?」  我ながら、ずるい質問だと思う。自分の感情を理仁に伝えずして、先に理仁に答えさせようとしているのだ。理仁が自分に特別な感情がないのだとしたら、明生の中に新しく湧き出てきたこの感情は一生隠し通すつもりだ。  明生の問いに、乱れた息を整えて理仁は深呼吸を繰り返している。すぐに答えを出せないという事だろうか。  ――快感のため、か……。  返事をしない理仁の様子に、明生は納得したうえで一呼吸ついた。自分の感情を出さなくて正解だったと認識したからだ。

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