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恋のバカンスは、予言通りにはいかない!?【ビーチボーイズ #3-1】

 いくらプライベートビーチっつっても、ここには一色と高階がいる。なら、こんなことしてちゃ駄目じゃん。  何にも遮るものがない波打ち際で男同士でキスなんてしてたら、マズいって。  土岐だって『こんなとこで煽るな』って言ってたくせに、場所柄をわきまえなくちゃだよ。ついでに、煽ってなんかないってことも言っとかなきゃ。 「んっ……ぁ、土岐こそ、こんなとこでキス……っ、んぁ……」  なのに、その言葉の途中で頬を両手で挟まれ、深いキスでそれが封じられた。  「まだ欲しい。離れるな」なんつー、嬉しい言葉とともに。 「……ふっ、ぁ、あ……」  だから、可愛くないことを言うのは、やめにした。『欲しい』のは、俺も同じだもん。  それに、俺よりも周囲が見えてるはずの土岐がこんなビーチの真ん中でこうしてるってことは、大丈夫だからってことで……うん……たぶん……あ、あれ? 大丈夫、だよな? 「アイツらのことが気になってるんだろ? それなら、松林の向こう側でSUPの真っ最中だから、何も心配するな」  開き直って土岐に応えかけながらも、俺がチラッと周囲を見たことに気づいたんだろう。一色と高階の居場所について、土岐が告げてきた。 「ふぁっ」  そして、濡れた唇同士でチュッと音を立ててキスしてきて、小さく笑ってる。  アイツらが松林の向こう側にいることまで把握してたんだな。俺と違って、やっぱ土岐は周囲がバッチリ見えてる。 「誰の視線も気にする必要はない。だからお前も、もっと俺に応えろよ」  頬に添えられてた土岐の両手がすっと動き、俺の耳を塞ぐようにホールドする。 「俺だけに集中してろ」  波の音が遠くなって、互いが交わす吐息だけが脳内に響き渡っていった。

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