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恋のバカンスは、予言通りにはいかない!?【宣言! #3-3】

「……う……」  晒け出された『予言者様の真実』に、言葉が出ない。 「俺が、寝てるお前に囁いたこと。全て疑いなく信じて実行してくれるって気づいたら、愉しすぎてやめられない」  なぁんて、すんごく綺麗で艶めかしい笑みで言われたから、余計にだ。  けどさ、べつにいいよ。全部ひっくるめて受け入れられるよ、俺。 「――土岐、大好きっ」  唐突だけど、抱きついて押し倒してやった。 「……んっ……好き、だよっ?」  そんで、俺から唇を求めたんだ。  ソレもコレも、それからアレも。何もかも。ぜーんぶ、俺が土岐に想われてるって証拠なんだよなぁ。  俺、もしかしなくても、すんごく想ってもらえてるんだよなぁ。うん。それなら、いい。オールオッケーだ。  ならさ、コイツのドSなとことか独占欲とか。そういうの全部丸ごと受け止めるのが、俺のコイツへの『気持ち』だよ。 「土岐。次の旅行は、秋の親善試合だな。でも俺、試合がある静岡もいいけど、ちょっと足を伸ばして名古屋でも遊びたい。いい?」 「あぁ、構わない。お前が行きたいところ、ピックアップしとけ。全部、一緒に巡ってやる」 「やった! あ、それから、あとひとつ、いい?」 「ん?」 「キスの続き、今からした……うわっ……ん、んんっ」  キスの続きをねだってる途中で突然体勢が入れ替えられ、土岐の身体の下に押さえ込まれながら唇が塞がれた。 「ふっ。やっぱりお前は、とことん可愛い。意識の奥底で、しっかり覚えてるじゃないか」 「えっ?」  そうして、下唇をふにふにと食みつつ、いかにも愉しげな声が落ちてくる。 「だが、さっき『あとで教えてやる』と約束したからな。念押しのようになるが、俺からも言うとするか」 「あ、も、もしかして……」  ここにきてようやく、土岐が言ってることの意味がわかりかけてきた。  土岐がさっき約束してくれたことって言ったら、アレしかねーもん。 「と、土岐? その、『さっき約束した』っての、俺が夜中にかましてたっていう寝言のこと、じゃね?」  そして、なぜかわかんねぇけど、嫌な予感が頭ん中いっぱいに広がってくるんだよ。なぜかわかんねぇけども! 「あぁ、よく気づいたな。『聞かないほうが、お前のため』だと言ってやったのに、お前が聞きたがったその寝言の件だ」 「うっ……やっぱ、り」 「『なぁ土岐ぃ。俺、朝陽がのぼったら、あと三回くらいしたい。いいだろぉ? 三回! あと三回ぃ』――という内容の寝言のことだ」 「ひぃっ……!」  だ、か、ら! 俺の物真似を全然する気がない、流れるような棒読みでセリフだけを完全再現すんの、やめて!  マジ、やめてっ!

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