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恋のバカンスは、予言通りにはいかない!?【宣言! #4-1】

「ということで、お前の可愛いリクエストに精いっぱい応えてやろうと思うわけだが?」 「……んっ」  ぴくんっと、肩が跳ねた。  土岐の唇が頬を滑り、耳朶がペロッと舐められたから。 「朝食の準備に遅れるわけにはいかない。だから、“三回ぶんの濃厚さ”で、たっぷりと可愛い声をあげてもらうことにしよう」  耳朶を食み、耳殻を舐め上げながら落とされる、大好きな甘いテノール。  それを聞きながら、そういえば夢ん中でそんなことをねだった気がするなぁって、俺はかすかに思い出し始めていた。  そんでさ、朧気な記憶だけど。確か俺、夢ん中でねだったこと、“もうひとつあった”ことも、なんとなく思い出してきたんだけどさー。  そっちは、寝言では言ってなかったんかな? 「それでいいか? ――――慎吾?」 「……っ、あ、俺……それも、言ってた?」 「ん。『これから、ふたりっきりの時は名前で呼ばれたい』って言ってたからな。これでいいか?」 「うん、ありが……んぅ、っ……んっ」  御礼の途中で、それまでチュッチュッと軽く耳や頬に落とされていたキスが、急に深いものに変わった。  でも、俺もこれを求めてたから、すげぇ嬉しい。 「可愛い寝言で俺を煽っといて朝まで我慢させられたぶん、今から取り戻させてもらうぞ」 「うん、いいよ。いくらでも持っていって? 何にも残らないくらい、全部、俺から奪えばいいよ」  コイツに求められてることがこんなにも嬉しいから、恥ずかしいセリフだって、バンバン垂れ流しちゃうぜ。 「今のセリフ、後悔するなよ? ところで、お前は俺を下の名で呼ばないのか?」 「えっ?」  Tシャツを捲り上げる手を止めずに土岐が尋ねてきたことに、ドキンっと心臓が跳ね上がった。  土岐の名前――――奏人《かなと》。  え? 『奏人』って呼ぶの? 俺が? 「むむっ、無理! それ、無理っ! とんでもなくハードル高いから、無理ぃぃっ!」 「ふっ。なんだ、ハードルって」 「あんっ」  乳首を口に含みながら、土岐が低く笑う。  その刺激に身を戦慄かせた俺の耳に、もうひと言、届いてきた。 「こっちは、“予言通りにはいかない”か。あれほど念押ししてやったのにな」 「え、何? なんのこと?」 「いや、何でもない。あぁ、そうだ。ちなみに、寝言を言ってる時のお前は、俺のことをいつも『かーくん』って呼んでるぞ」 「えっ、嘘っ……んぁっ、あんっ!」  短パンの中に滑り込んできた手に膨らみを直接揉みしだかれて、腰が大きく波打った。  遠慮のない愛撫にびくんっとのけぞり、とっくに反応してた俺のペニスはしなやかな指に翻弄されて、シーツの上で悩ましく身がくねる。  そうして、脳内も混乱していく。俺、『かーくん』って口に出してたんだ。  やべぇ。コレだけは、って気をつけてたつもりなのに。よりによって、本人に何回も言ってたんか!

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