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第7話

「分かったよ。それより唯人、ここ早く出ようぜ」  俺は鼻と口を抑えながら言った。  自制心には自信があるが、たいして広くもない部屋の中で何人ものヒートの香りを嗅がされて、我慢の限界だった。  唯人は舌打ちすると、俺の肩を抱いて、部屋から出た。  俺がほっと息を吐くと、唯人は隣の部屋の扉を開けた。  そこには誰もいなかった。俺を部屋に押しこみ、唯人も入ると内鍵をかける。 「悪かったな。いくら知らなかったとはいえ、こんなとこ連れてきちまって」 「別にいいよ。唯人も被害者ってことだろ」  俺はそう言うと、でかいソファに座った。  唯人は隣の部屋で起きたことに不快感は表してはいたが、驚いてはいなかった。  ああいうのに、慣れてんのかもな。  そりゃあんなこと何度も経験したら、俺のオメガはか弱い生き物って自論にも頷けないよな。  アルファの下で、嬉しそうに誘うオメガの顔を思い出し、俺は頭を振って気持ちを切り替えた。  そんな俺の隣に唯人が座り、いきなり俺の股間を握る。 「何すんだよ」 「だって、お前、これどうすんだよ。このままじゃ、帰れないだろ?」  俺は唯人の言葉で視線を下げた。  ヒートにあてられたせいで、俺のジーンズの一部が盛り上がってしまっている。 「んなもん、お前だってそうだろ」  真っ赤になって言い返すと、唯人は甘い笑みを浮かべた。 「そう。だからさ」  唯人が俺のジーンズのチャックを降ろし、手早く下着ごとずり下げる。  勃ちあがっているモノを長い指でキュっと握られた。 「唯人。まずいって」  俺の言葉に唯人がくすりと笑う。 「お前、毎回、飽きもせずに同じことを言うな。まずくなんかない。こんなの浮気にも入らないじゃないか」  そう言って、握りこんでいた手をゆっくり唯人が上下させた。 「ああ」  俺の喉から思わずかすれた声が漏れた。 「俺のもして」  耳もとで囁かれ、俺はぎこちない手つきで唯人のジーンズを脱がせ始めた。  唯人と二人で飲んでいる時、たまにこういう風になることがあった。  唯人が言うには、男子校ではこんなの当たり前のことらしい。 「自分でするより、他人にやってもらった方が気持ちいいだろ。男同士だとお互いのイイところも分かってるし」  そう言って唯人は初めから俺の性器に躊躇なく触れた。

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