14 / 100

第14話

 おかしい。同じアルファの唯人を怖がる理由なんてどこにもないのに。  更に恐ろしいのは、唯人に見つめられていると、体のあり得ない部分が濡れ始めることだった。  こんなのまるでオメガじゃ……。 「分かってんだろ、和希」  そう言って唯人が俺に顔を近づけた。 「お前、ヒートになってるんだよ」 「なに馬鹿なこと言ってんだよ。俺はアルファなんだぞ」  その言葉を鼻で笑うと、唯人は自らの履いていたジーンズを下げた。  そそり勃つ、赤黒く長大なモノを見せつけられ、俺は切なくため息をついた。  ありえない。同性のそんなモノを見せられただけで、なんで俺の体は疼くんだ。 「体は正直だ。ちゃんとお前の甘い香りに反応してる。和希だって」  そう言って、唯人が俺の服を脱がし始める。 「やだ。やめろぉ」  口では拒否しても、体はごまかせない。  産まれたままの姿になった俺の中心は、しっかり天をむいていた。  唯人が俺のモノを指で弾く。 「ああっ」  信じられないほどの快楽が背中を駆け上がった。  唯人が俺の片足を持ち上げる。  唯人は俺の後口に触れると、中指を潜り込ませた。 「くうぅ」  俺のそこはびしょびしょに濡れていた。  なんの抵抗もなく、唯人の指を根元まで受け入れる。  これは一体どういうことなんだ。  こんな体の反応あり得ないのに。  理性を取り戻したのは、一瞬だった。  体内で指を細かく動かされただけで、俺はもう喘ぐことしかできなかった。  唯人が俺の中を慎重に探りながら、触れてもいないのに赤くしこった乳首に噛みつく。 「ああっ」  突然の刺激に、俺は叫んだ。  唯人の前歯で、尖りきった乳首の先を弄ばれる。 「ダメっ、ああっ、イイ」  強めに噛まれた瞬間、俺は白濁を放っていた。  イッた余韻で、肩で息をしている俺を見つめながら、唯人は唾液でべちゃべちゃになった乳首をクリクリと指先で刺激した。 「あっ、あっあん」 「和希。ここ好きなんだ」  俺は首を振ったが、それを裏切るように俺の屹立は硬くなり、涎を零していた。 「可愛い」  唯人がそう言いながら、俺の首筋に顔を埋める。  俺は今まで意識していなかった、唯人の纏うムスクみたいな香りに酔った。  突然、唯人が俺の体内を掻きまわしていた指を引き抜く。  俺の口からつい失望の声があがる。  思わず俯くと、唯人の勃起した大きなモノが見えた。  先端には真珠のような雫を溜め、ピクリと震えるそれを見ていると、俺の後口が自然と収縮するのが分かった。

ともだちにシェアしよう!