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第20話
「光輝!光輝!」
俺の名前を呼びながら、赤司が必死に腰を振る。そして身体を一度離すと、ソファの肘掛けに片足を乗せ、背もたれに手を着かせてお尻を突き出させると、後ろからガンガン腰を振り始める。
相変わらず、自分本位のセックスに呆れるが、今の目的はこいつじゃない。
俺は背もたれに顔を埋めながら打ち付けられる衝撃に耐えて喘ぎ声を上げる。
おそらく…食堂で待っている兄弟達にも聞こえているだろう。
「あっ…、あっ…凄い……赤司さ…まぁ…」
俺の顎を掴み、唇を重ねて最後の追い上げを始めた。
腰の動きが早くなり、呼吸が荒くなる。
「んっ…んんっ…」
パンパンと激しくなる打撃音と共に、赤司が俺の前を扱き始めた。
「光輝、一緒に達(い)け!」
そう叫ばれて、俺は自分で自分を追い上げる為に腰を振って、闇雲に腰を打ち付けるだけの赤司の動きに合わせて感じるポイントに当たるようにした。
「あっ…、あっ…赤司様…もぅ…」
切羽詰まった声を上げると、赤司が俺の腰を掴んでガンガンと一層早く腰を動かす。
「あぁ!」
仰け反った俺の首筋に噛み付き、俺の中で赤司の欲望が爆ぜた。
後ろから抱き締められ、背中にキスの雨を浴びる。
「光輝の身体ま…麻薬のようだ。一度味わったら、離れられなくなる」
そう言って、噛み跡の付いた俺の頸を舐めまわしている。
(良い加減、開放してくれないかな…)
シャワーまで連れて行かれ、自分が汚した俺の後孔を開いて、自分の吐き出したモノを掻き出す悪趣味に反吐が出る。
そして再び貫かれ、風呂場でも2回も抱かれて良い加減、待たされている奴等に飯を食わせてやれと思っていると、やっと解放された。
「あまり此処でやると、夜までもたなくなるからな…」
そう言って俺にキスをすると、満足そうに浴室を後にした。
(まだヤル気か?)
ぐったりと浴室で動けずにいると、ドアが開いて逸人が入って来た。
「光輝…大丈夫」
そう言って俺の肩に触れたかと思った瞬間、唇を奪われた。
「んんっ!」
驚いて抵抗すると、腕を掴まれて浴室に押さえ込まれる。
「そんなに入れられるのが好きなら…、俺が入れてやるよ!」
嫉妬に狂った顔で、逸人が俺に挿入した。
「あぁ!」
浴室の俺の声が響く。
「止め…ろ…。逸人……ダメだ…」
ジャブジャブとお湯が揺れる音と、逸人が出入りする音が浴室内で響く。
(とうとう、掟を破った…)
俺は背後から突かれながら、心の中でにやりと笑う。
そう。赤司様が居る時は、許可なく俺に触れてはならない。
ましてや、俺に挿入なんてもってのほか。
「ダ…メ…、逸人ぉ…止めろ…」
突かれながら涙を流す。
両手を掴まれ、バックで打ち付けられて仰反る。
「感じてるの?ねぇ…光輝。俺で感じてるの?」
今まで抱かれた事しか無い逸人が、身体を屈服させる行為に興奮しているのが分かった。
「光輝、これからは…俺が抱いてあげる」
そう言って、俺の背中に付けられた赤司様の跡に逸人が舌を這わせながら、一方的に腰を動かすペースが早くなる。
「止めろ!ダメだ!逸人!」
叫んだ瞬間、中で逸人の熱の塊が叩き付けられた。
ズルズルと身体が崩れ落ちると、腰を掴んだまま吐き出した筈の逸人が萎えない。
「光輝…、どうしよう。お前の中、めちゃくちゃ気持ち良い!」
そう言って再び腰をゆっくりと動き出した時だった。
「そこまでだ、逸人」
アキラの声が浴室に響く。
俺が視線だけ上げると、アキラの後にはゆでだこのように真っ赤な顔をした赤司が立っていた。
「逸人、ゆっくり光輝の中に入れているモノを抜け!」
有無を言わさないアキラの声に、あんなに立っていた逸人のモノが萎えていく。
ゆっくりと引き抜かれると、アキラが走り寄って俺を抱き締めた。
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