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第32話
ようやく傷口も塞がり、退院日が決まった。
赤司様は毎日、毎日、お見舞いに来てくれていて、溺愛っぷりに拍車が掛かったようだった。
一旦、休みになっていた俺の復讐が再び始まる。
「あっ……」
傷口が塞がったとアキラに聞きつけた戸張昭英が、早速、待っていたとばかりに部屋にやって来た。
余程、待っていたのだろう。
部屋に来るなり、押し倒して来た。
そしてムードもへったくれもなく、入院着の前を開いて胸に吸い付いた。
こりゃ~、アキラも嫌がる訳だ。
まぁ、いきなりぶち込まれるよりマシだと考えるか……と、俺を感じさせると言うよりは、おのれの欲望のままに触れてくるこいつに小さくほくそ笑む。
こういう人間は扱いやすい。
「戸張様、スーツがシワになります」
感じているフリをしながら、そっと髪の毛を撫でて呟き
「お好きなように抱いて構わないので、まずはお召し物を……」
と囁く。
自分も求めているかのように、戸張のスーツの上着を脱がせ、ネクタイを外す。
するとアキラが入って来て、俺の手から戸張のジャケットとネクタイを受け取り
「戸張様、お手伝いさせて頂きます」
と言って、俺とアキラで戸張の衣類を剥ぐと、アキラは戸張の衣類をハンガーに掛けて退室した。
その間も、戸張は俺の身体に舌を這わせ、一方的に欲望をぶつけている。
そして俺の傷口に触れると
「綺麗な身体してるのに、傷物だな」
と鼻で笑い、俺の顎を掴むと
「さっさと俺のを咥えろ!」
下着姿の戸張はそう言うと、俺の顔の前にビンビンに立ち上がった奴の物を押し付けた。
従わせる事でしか、自己顕示欲を満たせない可哀想な男。
無理矢理口の中にねじ込まれ、口の中を犯される。
無遠慮に腰を打ち付けてくる戸張を、涙目で見上げると
「お前みたいに綺麗な男が、こうして俺みたいな男に好き勝手にされてるなんてなぁ…」
凶悪な顔で笑うこいつに、俺は心の中でコイツは確実に落とせると核心した。
欲望を叩き付けられ、ムセながら飲み干すと
「お前……飲んだのか?」
と、驚いた顔をした。
まぁ……アキラは絶対にやらないだろうな。
心の中でそう呟きながら、まだ萎えていないこいつの欲望に手を添えて、先端にキスをすると、手の中でビクビク震えながら大きくなる。
「戸張様、舐めても?」
上目遣いに言うと、戸張は肩で呼吸しながら
「良い!もう、入れるから」
と言っていたが、無視して裏筋を舐めながら2つの袋をやわやわと指で揉んで戸張を見上げる。
征服心の強い男だ、愛しそうに戸張自身にキスをしながら刺激を与え、口に再び咥えて舌を使って愛撫してやると
「美味そうにしゃぶりやがって……」
そう言うと、髪の毛を掴んで俺の口から引き抜き
「入れやる、ケツをこっちに向けろ!」
と言って手を離した。
言葉は荒いが、少しずつ少しずつ俺の嵌めた罠に掛かっているのが分かる。
四つん這いになり腰を上げ、前戯などしないであろうこいつの前に男の欲望を受け入れる場所を晒す。
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