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第24話

「……く、ぅ……」 「ホワイトチョコのこっくりした味わいに、ラズベリーの酸味と蜂蜜の甘みが混然一体となって、そこに早瀬自身のほのかな塩気が加わり、えもいわれぬ競演を繰り広げているな。勤務評定に置き換えればAをつけてやってもいい」 「それがボーナスの支給額に反映されると、うれしいんですけど……じゃ、なくて課長、会社では巨大な猫をかぶっているんですか?ふだんとキャラが違いすぎて、ほとんど詐欺です!」 「公私のケジメのつけ方が他人(ひと)より多少、徹底しているだけだ。プライベートバージョンのおれに幻滅したか」    ぶんぶんと首を横に振れば、かりり、と乳首を歯でしごかれた。反射的に下目をつかえば、俺の胸にむしゃぶりついて舌を蠢かす咲良さんとまともに目が合う。  聞こえよがしにチョコソースに舌鼓を打たれると、かあっと頬が熱くなり、遅まきながら足をばたつかせると、そのはずみに、ぶるんとイチモツが揺れて内腿をぺったんと叩いていった。  勃っている、しっかり勃っている、縦から見ても横から見ても完璧に勃っている。  今、明かされる衝撃の事実。俺って、乳首が感じる人だったんだ!  現に尖らせた舌でつつかれ、ちゅう、と吸われるたびに乳首がしこっていくのがわかる。連鎖的に股間のバットは打ち気に逸って反り返るありさまだ。  つまり、なんというか恐ろしいことに、咲良さんが頭を振り向けしだい見苦しいものをお目にかけることになってしまう。  こっ、これは、まぎれもなく人生最大のピンチ。ちろちろ、と舌が這えば冷や汗がにじみ、そのくせ乳首を(みなもと)に官能の息吹が萌えたっちゃったりなんかするに至っては何万回自己嫌悪に陥っても追いつかない。  乳首をいじられるのが病みつきになる事態は、断じて避けたい。尺取虫のように身をくねらせながら腕をよじり合わせると、 「舐めにくい、動くな。早瀬風味のチョコを存分に味わわせろ」  腹を跨いだ両足で胴体を挟みつけられた。

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