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結婚したい男の気持ち❣️10

「入籍するのかしないのか、どっちなんだよ?」  こんな状況だからこそ、和臣がまともな答えを出せないことは分かっていた。それでも訊ねずにはいられない。 「き、恭ちゃんっ、何で今……んぁっ、そんなことをぉっ、あぁっ!」  自分の想いを知らしめるように何度も自身を打ち付ける榊を、苦悶の表情を浮かべ涙目で見上げてきた。 「俺の記憶が確かなら、お前は以前に同性でも結婚できるといいねって言ったんだ。それが半年後に実現化するっていうのに、どうして渋るんだ?」  好き合っているから一緒に暮らしているはず――それなのに仕事柄、生活習慣がすれ違っているせいで、気持ちまでもが違って(たが)しまったのだろうか。 「やっ、激しすぎるよぉっ……くるしぃって」  シーツを両手で掴み、顔を左右に振って喘ぐ姿を目の当たりにしても、腰の動きを緩めることができなかった。こんなものじゃない、もっともっと激しくしたいのに。 「んぁ……あっ、あ、んっ、いや、ああっ、やっ……ぬ、抜い、てっ!」  更に責めあげようとしている矢先に告げられた言葉のせいで、ヤル気が失せてしまいそうになる。  抱えていた両足を解放し腰を抱き寄せて密着すると、最奥を貫きながら上下に動いてみた。互いの躰の隙間で和臣自身が揺れて、感じるたびに飛沫をまき散らしていく。その様子を覗き込むように、まじまじと見つめてやった。 「あ……っああっ、んっ、じっと見ないで、ああ、んっ、だめ、やっ……んっ!」  頑なに拒否する言葉を吐き続ける恋人の顔色を窺いながら、達する頃合いを見計る。責めれば責める分だけ、中がきゅぅっと締めあげてくるせいで榊も限界に近かった。久しぶりに行為に及んだせいなれど、いつもより早い限界値に歯がゆさを覚える。  蕩けそうなほど熱くて気持ちいい和臣の中に、ずっととどまっていたかった。 「やぁっ……アッ、んんっ」  嫌々を続ける言動を変えてやろうと、自身の先端部分の括れまでゆっくりと引き抜いた後、挿れるときには内壁を強く擦りあげてみた。入口付近とそのちょっと奥、そして一番奥が感じる和臣の中をないまぜにするように、ぬぷぬぷと卑猥な音が鳴るように出し挿れを繰り返す。 「いっ、いやなのにっ……はっ、あぁっ……恭ちゃっ、変になる」 「嫌じゃなくてイイんだろう? 感じるたびに和臣のが、ぎゅんぎゅん締まるんだけど」 「あっ、あっ、イく……っあぁっ!」  榊の先端がぐりっと前立腺を突いた瞬間、押し出されるように和臣が弾けた。小さな痙攣の間中ずっと白濁が溢れて、互いの躰を汚していく。 「恭ちゃん……はあぁっ、んっ」  相当感じたのか和臣自身の先端部分がくぱくぱ動いて、尚も白濁を吐き出し続ける。腹の上に溜まった精液が振動で躰のラインに沿って流れ落ちていくのを見、ベッドヘッドに置いてある箱ティッシュに手を伸ばして数枚引き抜き、汚れている部分を拭き取ってやった。 「大丈夫か、和臣?」 「んぅっ、はぁはぁ……」  肩で息をしながら真っ赤な顔を横に背け、どこか恥ずかしそうにしている恋人の姿に、榊の中にある独占欲が疼いた。 「イった顔、俺に見せて」  自分だけが見ることのできるそれを見たかった。それなのに両手で顔を覆って隠そうとする。仕方なく和臣の両腕を強引に掴んでベッドへ磔にし、色香を放つ表情を堪能した。  寝乱れて、枕の上に散らばる柔らかい髪の下にあるふたつの眼差しは潤んでいる上に、荒い呼吸を繰り返すさくらんぼ色した唇は開きっぱなしだった。まるでキスで塞いでくれと表しているみたいに見える。 「放して、掴んでる手が痛いよ」  喘ぐ呼吸をしながら告げられたひどく掠れた声を無視し、掴んでいる和臣の両手首に体重をかけるように握りこんで躰を固定し、下半身の動きを一気に加速させた。 「かずお、みっ……どうして返事してくれないんだ。こんなに愛しているのにぃっ、俺は和臣と結婚したい。お願い、だっ、くうぅっ!」  達する直前は世界で一番大好きな恋人の躰へ、縋るように抱きついたまま果てた榊。心の内を吐露した言葉に、和臣からの返事はなかったのだった。

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