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第11話

「食べ物、適当に頼んどいた」 精悍な顔立ちのイケメンは、部類で言うと俺と同じかな? 口数が少ないタイプみたいだ。 「あ、えっと……まず、紹介してもらえる?」 隣の美人さんが俺に何か聞こうとして、友也に話を振った。 「あ!そうだった!熊さん、こちらは商店街の喫茶店「木漏れ日」のオーナーのハルちゃんと、息子の蓮」 さすが友也だ、紹介がざっくりしてる。 すると隣の美人が 「初めまして、友也君から噂はかねがね聞いてます。岡本悠稀と言います」 右手を差し出し、綺麗な笑顔を浮かべた。 握手をしながら 「あ……俺は…」 と自己紹介をしようとした俺の手を美人から引き剥がし、物凄い握力で握って来た精悍な顔立ちのイケメンが俺を睨みながら 「恋人の岡本蓮です!」 と紹介して来た。 「はぁ……」 唖然としている俺を他所に 「蓮!違うだろう!お前は息子!」 「はぁ?事情だろうが!じゃあ何か?ハルは息子と」 そう言いかけた「蓮」と名乗ったイケメンの頭を、お店のカウンターに居たイケメンが片手に料理を持ちながら、反対側の手で頭にチョップして、友也が横っ腹に拳を入れて 「蓮、下品!」 と、2人から突っ込まれた。 「痛えな!」 と唸る彼に、隣の美人から静かな炎が……。 「蓮……お前、往来の前で何を言おうとしたのかな?」 低い声で美人が呟くと、蓮というイケメンは顔を引き攣らせて 「悪かった……」 と呟いた。 なるほど……。 人の恋愛の力関係を見てるのは、面白いな。 そう思っていると 「はい、串7点盛りね」 と、友也の健人がテーブルに料理を置く。 そして俺を見ると 「俺は友也、蓮とはガキの頃からかの幼馴染で、小野瀬健人。熊さんの話は、友也から聞いています。俺、店があるんでゆっくり話せませんが、熊さんはゆっくりしていって下さいね」 そう言って微笑んだ。 ……なんと言うか、黙ってると顔立ちのせいか冷たそうな雰囲気なのに、笑うと随分、雰囲気が変わるもんだ。 カウンターに戻る健人の背中を見ながら 「友也。お前の健人、モテるだろう?」 と聞くと、友也は真っ赤な顔して 「友也の健人とか言うな!」 と、足にケリを入れられてしまった。 「いってぇ!」 叫んだ俺に 「あ~、気を付けろ。友也、足癖悪いから」 と、蓮というイケメンが呟いた。 「足癖悪いって、なんだよ!」 「事実だろう?お前、すぐ蹴りとか足踏んだりするじゃね~か」 2人が言い争っているのを呆れて見ていると 「熊さんは?」 と、隣の美人が微笑んで聞いて来た。 「あ……熊谷一です」 そう言ってお辞儀すると 「あ~、熊谷だから熊さん!」 美人はそう言って手を叩くと 「熊さんってイメージじゃないから、謎だったんだ」 って笑っている。 「え?そうですか?俺、デカいし、ムサイし、愛想悪いし……」 そう言うと 「え?誰が?」 と聞かれた。 「だから……俺が」 と答えると、美人と蓮というイケメンが絶句して俺を見ている。 「?」 「デカい、ムサイ、愛想悪い?それ、蓮なら分かるけど」 って、隣の美人が笑ってる。 「悪かったな!」 美人の前に座る蓮というイケメンがむくれた顔をしていたので 「いや……、蓮さんはイケメンじゃないですか」 そう呟くと 「友也。こいつ、マジで言ってるの?」 と、友也に聞いている。

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