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第26話

結局、山菜採りに付き添う事になり、洗い物をしようと立ち上がった俺に 「僕も手伝うよ」 そう言って、創さんが隣に並んだ。 家事なんて一切してこなかった創さんが、どうしたんだろう?って考えながら、俺が洗い上げた食器を創さんが拭いてテーブルに置き、ばあちゃんが片付けるという流れになった。 食器を片付け終わり、俺がお風呂を沸かしに薪を取りに外へと出ると 「お風呂、薪で沸かすんだって?」 そう言って、創さんが俺の後を着いて来た。 火をつけて薪を竹の火吹き棒で拭いていると 、パチパチと音を立てて火が燃え始める。 どのくらい時が経過したのだろうか。 俺と創さんは、黙って並んで萌える炎を見つめていた。 沈黙を破ったのは、創さんだった。 「はじめは……ずっと、こういう生活をして来たんだな」 創さんがぽつりと呟いた。 真っ直ぐに火を見つめる創さんの横顔が綺麗で、思わず手を伸ばそうとすると 「創!あんた、先にお風呂に入りなさい」 って、ばあちゃんが現れた。 さっきと言い、今回と言い。 あまりのタイミングの良さに、思わずばあちゃんに恨みの視線を送ってしまう。 するとばあちゃんは 「はじめ!創がいくら綺麗だからって、お風呂は覗いちゃダメだからね!」 って言われて 「覗くか!」 と、思わず叫び返してしまった。 すると創さんとばあちゃんは顔を見合わせて、吹き出して大笑いしている。 街にいた頃、見た事の無い創さんの屈託の無い笑顔が愛おしいと思った。

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