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第40話

「母親似のこの容姿、疎ましいとしか思わなかったけど……。はじめが好きなら、この容姿で良かったよ」 創さんは、まるで自分で自分の呪いを解くかのように呟いた。 「創さん……」 震える両手を伸ばすと、創さんがゆっくり身体を傾けて俺の腕を首に回した。 「はじめ、これが最後じゃないからね」 そう囁かれて、涙で滲む視界で創さんを見上げた。 「これからもっともっと、2人でたくさん一緒に幸せになろうね」 創さんの言葉に頷いて、唇を重ねた。 「はじめ。僕が人生で初めて欲しいと思ったのは、きみだけだよ」 創さんの言葉に、俺の瞳から幾つもの涙が流れた。 創さんに出会えて良かった。 あなたに出会えて、しかもこうしてあなたに抱かれて……。 俺は世界一の幸せ者なんだと、心も身体も満たされた気持ちで、何度目かの精を放った。 「はじめ……もう……っ」 腰の動きが速くなり、身体がガクガクと揺すられる中、俺は創さんにしがみついて頷いた。 「はじめ……っ!」 「あっ……創……さんっ!」 俺が身体を震わせて果てた瞬間、俺の中で創さんの熱い迸りが爆ぜるのを感じた。 荒い呼吸が部屋中を満たし、もう、本当に手も足も動かせないでいると、ゆっくり創さんの唇が俺の唇に触れた。 「はじめ、ありがとう」 優しく囁かれ、創さんの手が俺の頭を撫でる。 俺は創さんの言葉に頷きながら、重くなった瞼をゆっくりと閉じた。

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