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第41話~新しい始まり~

目が覚めると、隣で創さんが俺を抱き締めて眠っていた。 で!だ! 昨日、翻弄されまくって気付かなかったけど、創さん、めちゃくちゃ細マッチョだった。 何?どうやったら、あの細身の華奢加減が演出出来るわけ? 俺に腕枕している腕は、ほど良く筋肉が着いている。 アワアワしていると 「ん……」 と、創さんが身じろいで瞼を擦る。 閉じた瞼に掛かる長いまつ毛が作る影さえ、美しい。 朝日と創さんの寝顔に、俺はうっとり見蕩れていた。 すると創さんはゆっくりと目を開けて 「はじめ、おはよう」 って、にっこり微笑んだ。 笑顔が……朝日より眩しい! そして俺の目許に触れると 「ごめんね、無理させたよね?目許が赤くなってる」 そう言って口付けた。 (誰ですか?この甘ったるい人は!) 硬直している俺に、創さんはゆっくりと身体を起こした。 (うっわぁー!背中も、皮じゃなくて筋肉が綺麗に着いてる!) 全裸で抱き合って寝ていたらしく、創さんが布団から出て脱ぎ散らかした衣類を拾っているんだけど、何?この人? 腹はシックスパックだし、全体的に綺麗に筋肉が着いてるからゴリゴリに見えないんだ…。 思わずガン見していると 「はじめ、何見てるんだよ。えっち」 下着を履きながら創さんに言われ、思わず赤面して視線を逸らした。 すると、創さんがゆっくりと近付いて来て 「それとも何?昨夜だけじゃ足りなかった?」 顎を掴まれて言われて、思わず起き上がろうとして腰に激痛が走る。 「痛てぇ!」 思わず叫んで布団につんのめると 「ごめん。はじめがあまりにも可愛いから、無理させちゃったかな?」 って、生クリームみたいな甘い笑顔を浮かべると、創さんが俺の頬にキスを落した。 「まずは、水分補給が必要だよね。お水飲んだら、マッサージしてあげるから待ってて」 創さんはテキパキと支度を整えると 「はじめ、良い子で待っててね」 ってキスをして離れを出て行った。 昨日のあれは、夢なんじゃないだろうか?と考えては見るものの、尻に感じる違和感と枕元に散らばる残骸に現実を叩き付けられる。 「………マジか」 顔を両手で覆い、羞恥に叫び出したくなる。 現実は、妄想よりヤバかった! 創さんの色気ダダ漏れに当てられ、もう!もう!……。 布団の中でジタバタしていると 「はじめ、大丈夫?」 って、創さんの声が聞こえた。

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