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これは何点?(第3話『わんことゲーム』2)
文句を言っているけど、こういうスキンシップは結構好きだ。朝倉は、ふ、と笑みを漏らした。吐息が頬に当たってくすぐったい。俺は思わず笑った。
「反応あった。ポイントゲット」
「3点な」
「低っ」
「もっと点数取れるところあるよ。探して」
「んー。ここか」
朝倉は俺のほっぺたをつっつく。
「4点」
「嘘つけ。ここさわられるの好きだろ」
「そうなんだけど」
「あ。わかった」
朝倉は俺の頬にキスをした。
「100点」
俺も朝倉の頬にキスをする。
「橋本も100点ゲットだな」
朝倉はいたずらっ子のような笑みを浮かべた。俺の顎をつかむ。
「もっとハイスコア取ろうぜ?」
「う、ん……」
返事を待たずに朝倉は俺の唇を奪った。
「はあ、あ、ん……」
「ん、ん」
執拗なキスに俺の上半身はのけぞる。朝倉はしっかり俺の首と腰を支えた。ゆっくり押し倒される。朝倉は自分の額を俺のおでこにくっつけた。
「いまのは何点?」
「はあ。い。いちまんて、ん」
「おまえのゲーム、バグってんじゃね?」
と言いつつ、朝倉はとてもうれしそうだ。
「朝倉とキスするの好き。だから10000点」
「へえ」
「頭ぼーっとするくらい、いい」
「やっぱ、3000回するか」
「それはだめ」
「なんで」
「頭バカになりそうだ……」
「いいんじゃね? バカになっても」
朝倉は俺のパジャマのボタンを外していく。俺は抵抗しなかった。もっとさわってくれるんだ。そう思ったら、どきどきしてきた。
「橋本がバカになったら、俺が勉強を教えるよ」
「もし教えるなら、眼鏡かける?」
「かける、かける。入学式のときのスーツも着てやるよ」
社会人みたいだな。リーマン朝倉かあ……かっこいいだろうなあ。
「橋本。また想像しているな。じゃ今度は、スーツプレイだな?」
「え、プレイ? 勉強じゃないの?」
「なんだかんだ言って、結局俺たちはやると思うぞ」
「確かにそうなるな。あ、ん」
朝倉は、露わになった俺の胸にはさわらず、下半身をパジャマ越しにさすっている。
「なんで……ん、ん……や」
「ここは何点?」
「せ、せんて、ん、んー」
「は。ポイント下がってんじゃん」
「あ、恥ずかしいとこ、は、あ、低いんだよ……」
「えー。じゃあ、マズいじゃん」
朝倉は手を離すと、俺に覆いかぶさって抱きついた。
「はあ、はあ。なんでだよ……?」
息が乱れる俺の頭を、ぽんぽんと優しく叩いた。
「これから、すっごく恥ずかしいことするんだけど?」
「それは……50000点」
「やっぱバグってんじゃん、ん」
俺は朝倉にキスをした。
「それは俺がしてほしいことだから、高得点なんだよ。朝倉、ゲームクリアしちゃったな」
「周回プレイしてるからな。橋本エッチゲームは」
「ゲームタイトル変わってる」
「橋本ゲームは2本セットなんだよ。よっと」
朝倉は俺の体を起こした。
「布団でしよっか」
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