10 / 18

めざせハイスコア(第3話『わんことゲーム』3)

「いい。今日は特別ステージ」 俺はパジャマの下と下着を脱いだ。右手の指を舐めて、唾液を絡め取った。 「ん……」 朝倉の膝の上で、俺は窄まりに指を入れた。早くしないと。ゲームの邪魔をしちゃったから、俺ががんばるんだ。 すぐに、俺のなかは反応した。でも、まだ入れる段階じゃない。 「はあ、あ」 俺は体をくねらせた。揺れる腰を朝倉が支えてくれた。 朝倉がしてくれるときより、奥まで指が進まない。早くしなくちゃ。 耳元で、朝倉の唾を飲み込む音が聞こえた。興奮しているんだ、朝倉。うれしいな。 「橋本」 「待ってろ、朝倉。もう、ちょっとだから、はあ」 「ごめん」 朝倉が自分のパジャマの下をいじっている。と思ったら、俺の体を持ち上げた。 「え? や、ああ、あ、ん!」 一気に朝倉に貫かれた。朝倉は激しく俺の体を揺らした。朝倉のものは大きく硬くなっていた。 「や、い、いた、あ、あ」 「く、おまえのや、やらしい顔、見たら……我慢でき、るわけねえ、だ、ろ……」 「あん、もう……、ばか、あ!」 「はあ、なか締まってる……最高」 「ばか、ばか。あ……」 罵られながら、朝倉は俺のなかに白濁を注ぎ込んだ。 「えー、ポイントなし、スコアゼロ!? クリアしたのに?」 「当たり前だ。いきなりしたらマイナス」 俺たちは布団の上に転がっている。素肌でふれあいたいから、何も(まと)わないで毛布をかぶっている。 「ああ、61107点のハイスコアになると思ったのに」 「ちゃんと数えてたのか?」 朝倉は笑っている。 「言っただろ。いまどきの体育会系は脳筋じゃないんだよ」 「すごい、俺よりも計算得意なんだ」 さっき『3000秒は何分か』の計算で俺はちょっと時間がかかった。 「ああ、今日のゲームは橋本の勝ちかあ」 「俺、なんもしてないよ」 「してたじゃん。イケメン朝倉ゲーム」 「自分でイケメン言うな。キスだけだよ、したの」 朝倉は俺の尻を軽く叩いた。 「ひゃ、急にさわるな」 「セクシーに俺を煽ったから高得点だよ」 「そっかー、複雑ー」 「なんでだよ」 言いにくいので、小声で話した。 「それってさ。いつもは点数低いってことだろ? 俺、あんま自分から動いてないじゃん。朝倉に気持ちよくしてもらってばかり」 「あー、もう!」 いきなり唇を奪われた。 「朝倉?」 「さらっと『気持ちいい』なんて言うな」 「なんで? 本当に気持ちいいのに」 「くそ、かわいすぎ……」 朝倉は俺の肌を撫で回した。毛布がずれていく。先ほどの余韻が残っていて、どんどん体温が高くなっていく。やっと火照りが冷めたのに。 「ん、ん……」 「今夜も周回プレイしてやる!」 「朝倉、待って、あ」 「目指せ、ハイスコア!」 「ははは。もう、何する気だよー」 「決まってるだろ、すっげえいいこと」 俺は身悶えながら、愛撫してくる朝倉の背中を撫でた。 朝倉、やっぱかわいい。だから、大好き。 【第3話おわり】

ともだちにシェアしよう!