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わんこのプロポーズ(第5話『わんこと年越し』3)
引き締まった朝倉の背。俺のなかを擦っているあいだ、鍛えられた朝倉の後ろ姿を見てみたいって、いつも思う。汗の玉が背を滑って、綺麗なんだろうなあ。
朝倉は、優しく俺の口内を攻めていく。腰はもう動かしていない。俺は自分の舌を朝倉のに絡ませた。
朝倉が顔を離した。顔が真っ赤だ。
「あけましておめでとう。橋本」
「朝倉、あけましておめでとう。今年もよろしくね」
「おう。よろしくな」
朝倉が俺の頬に、自分の頬を押しつけた。朝倉の頬、あっつくてしっとりしている。
「はー、年越しの瞬間のキスって、すげえ気持ちいい……」
「これは思い出になるね」
「なるなあ」
朝倉は俺の腰を抱えた。朝倉が少し腰を揺らしただけで、ぐちゅぐちゅと彼の先走りで濡れた音が響く。
俺は軽く目を閉じた。数回、朝倉は俺を突いたが動きを止める。
「橋本、どうした?」
俺の異変に気づいたようだ。俺は目を開けた。
「なかが引き攣れたみたいになって……」
俺は自分の下腹部を押さえた。
今日はいつもよりも、ゆっくり抱き合っている。朝倉のがずっとなかに入っていたから、内壁が擦れて敏感になってしまったみたいだ。
「抜こうか?」
「やだ。なかに出して」
朝倉の頭を引き寄せて、キスをした。
「今年はじめての、してよ? 早く」
「おねだり上手だなあ」
朝倉は微笑むと、腰を動かした。
「は、はあ……」
「他の部屋、みんな里帰りしてるから、声我慢すんなよ」
「あ、あ、ん、んんー」
「橋本。こっち見ろよ」
「やだ……」
抱かれたあと、俺は朝倉の胸に顔を埋めたままでいた。朝倉と視線を合わせたくない。
激しい喘ぎ声って、終わったあとで自分の頭に響くんだなって、俺は知った。
しかも朝倉がていねいに抱いてくれた。
『ん、もっと、擦って……あ、ああ』
『あ、いい……』
『好き……好き、朝倉、あ、ん』
抱かれながら頭から砂糖を被っていたのか、というくらい、俺は甘ったるい言葉ばかり放っていた。
「朝倉ー。俺、声を我慢しなかったら、えっちい男だったんだな……」
「何を今更。いつ抱かれてもエッチだよ」
「えー」
「俺が抱く度に反応がかわいくてエロくなってる。あー 責任取らないとなーって、寝てる橋本を見ながらいつも考えてる」
「責任ってなんだよ? 嫁にしてくれるの?」
朝倉が真顔なので、俺は冗談を言った。
「嫁じゃないだろ」
「だよなー」
「同性ならなんて言うんだっけ? 伴侶? パートナー?」
「えっとパートナーかな。って、え。本気?」
朝倉は頷いた。真剣な表情だ。
嬉しさがじわじわ湧いてきた。
「俺、朝倉といっしょになっていいの?」
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