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ほろ酔いサイダー36

 しばらくしてトレーの隙間に置き、ようやく完食した。 「ごちそうさまでした。ここでデザートまで食べるなんて思わなかった。美味しかったよ」 「そうか。よかったな」 「でさ、いつもお決まりのコースで行ってるところがあるんだけど、付き合ってくれない?」 「いいぞ」  やったー、と喜びながら宏介は立ち上がり、空いたトレーの一つを持って歩き出した。その姿を追い掛けるようにもう一つのトレーを俺は持ち、忘れ物がないか確認しながら席を去った。  食器を片付けて返金してもらい、どちらがいくらになるか精算したところで、会場を後にする。昼が過ぎて人が減るのかと思ったが、これから場内のイベントが始まるようで、さらに増えていくようだ。  そして会場を出ても、休みの日には多くのイベントが行われているようで、ショッピングモールの近くは多くの人がいた。  宏介に案内されながら、その近くを通り過ぎる。その先にもまだまだ様々な施設が並んでいるが、一気に人がまだらになった。  これくらいであれば居心地が悪くないなと感じながらそこを抜けると、今度は公園が見えた。木々に囲まれ、整えられた砂浜のある場所で、昼間であるにも拘わらず閑散としていた。  どうやらそこが目的地のようだ。信号が青に変わるのを待っている。

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