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第41話

結局、朝から抜かずの……何回だ? 最後は数えていない。 (正確には、意識を失っていて数えられなかった) あれだけやって、肌艶良くなるだけで活き活きしているお前は精力魔神か!と、俺は心の中で悪態を吐いていた。 俺の身体を綺麗にしているシルヴァが 楽しそうで 「なぁ、お前って王子なのに、こんな事までするんだな」 何気無く呟くと、シルヴァはにっこりと微笑んで 「多朗の面倒を見るのは、伴侶である僕の務めです。それに、こんなにしてしまったのは、僕なので」 と、何故か満足そうに言っているコイツが怖い。 「王子だから、他の奴にやらせるのかと思ってた」 大人しく身体を拭かれていると、シルヴァの手がピクリと反応して止まる。 疑問の視線を向けると 「多朗の裸体を見て良いのは、僕だけです。触れたり、キスしたりするのも僕だけです」 そう言うと、再び俺の身体を拭いてパジャマに着替えさせる。 俺はというと、昨夜と今朝でHPが0で全く動けない。 「そもそも奏叶と一緒に此処へ来たと聞いて、僕がどれ程嫉妬したか分かりますか?」 突然、和久井の名前を出されて (あぁ!そうだった。一緒に来たんだったな。アイツ、上手く勇者してるかな?) ってぼんやり考えていると、突然、顎を掴まれて 「多朗!今、奏叶の事を考えていませんでしたか?」 と目を据わらせて俺の顔を覗き込んで来た。 「え?いや、考えてない!考えてない!」 慌てて否定すると、シルヴァが目を据わらせて 「怪しい」 と呟いて俺の顔を見ている。 「それより!シルヴァ、お前は何でそんなにピンピンしてるんだよ!化け物か?」 そう呟くと、シルヴァは「ぷッ」吹き出して爆笑すると 「すみません。多朗は知らないですから、仕方ないですよね」 と言うと、シルヴァ達の世界でのセックスという行為について説明をしてくれた。 シルヴァ達の世界では、王家に火、水、風、土の神様を宿して生まれるという話は聞いていた。 この神様は対になっていて、火の力を水が抑え、風の力を土が抑えるんだそうだ。 親族だと、存在しているだけでエネルギー循環は行われ、力の暴発はしないらしい。 だから、シルヴァも祖父が存命中は大丈夫だったらしいが、亡くなってから度々、力の暴発を起こしたらしい。 そこで考えられたのが、魔力を欲する者への魔力の提供。まぁ、いわゆるセックスだよな。 シルヴァは所謂、魔女に魔力の提供をしてきたらしいけど、器が伴わないと結局、直ぐにエネルギー過多になってしまうので、1晩に何人も相手しなくてはならなかったらしい。 そこでオババ様から修行の旅を言い渡されて、オババ様の知り合いの所で修行していたらしい。 シルヴァは修行の甲斐があって、魔力を宝石に込める事が出来るようになったらしい。 それでも、弱い宝石だと粉々になってしまうんだそうだ。 「でも、もう多朗が居るから大丈夫だよ」 キラキラした顔をして、恐ろしい事を言いやがった。 「まだ始めたばかりだかりだから器が追い付かないだけで、それでも一晩寝てこれだけ受け入れられるんだから、慣れたら……」 そこまでの言葉を、シルヴァの顔面に枕を投げて遮った。 「毎日、毎日、こんなにヤラれたら死ぬわ!」 「大丈夫だよ!ほら、だってもう起き上がって枕が投げられるんだから」 って笑ってやがる。 でも、確かにシルヴァに抱かれる度に、指輪の青い色がよりシルヴァの瞳の色になって行く。

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