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第46話 100年に一度の交わり

まぁ……自分がガッツリやってる絵面は、ちょっとキツイものがある。 シルヴァに乗り移った火の神が、水の神が乗り移った俺の腰を抱え、容赦無くガンガンバックから突き上げて、水の神様がめちゃくちゃ喘ぎまくってる。 「快ぃ……もっと、もっと激しく突いてぇ~」 その声に煽られるように、両腕を掴んで上体を後ろに反らし、膝立ちのシルヴァ(の器)に突き上げられて腰が浮くのを重力で引き戻されて俺(の器)に深く刺さっている。 「アアッ!」 身体を仰け反らせ 「快いっ!!奥……凄い!!!」 と叫ぶ俺(の器)が、恍惚の表情を浮かべている。 激しく軋むベッドのスプリング音に、粘着質な音と肉同士が激しくぶつかり合う『パンパン』という音が部屋に鳴り響く。 シルヴァを見上げ 「俺、身体に戻った時に尻の穴が増えて無いよな?」 真顔で言うと、シルヴァは「プッ」と吹き出して 「大丈夫だろう?」 って言ってやがる。 俺がシルヴァを睨み 「お前は突っ込む方だから良いけど、突っ込まれるこっちの身にもなれ!」 そう叫ぶと、シルヴァが真っ赤になって 「多朗、言い方!!」 って叫んで来た。 「言い方も何も、事実だろう!」 俺がプンスカ怒ってシルヴァと言い争っていると、一際甲高い声が聞こえて来て視線を戻すとベッドに縺れるように重なって、背後から抱き締められた状態で腰を打ち付けられているようだった。 動きこそ、先程のように激しくは無いものの 「あぁっ!ダメぇ……深いっ、ダメな所、入ってるぅ……」 と、俺(の器)が叫んでいた。 「シルヴァ、ダメな所って何?本当に大丈夫なんだろうな!」 シルヴァの胸ぐらを掴んで叫ぶと、シルヴァは困った顔をして 「あ~……多分?僕の時は、全部挿入(いれ)て無いから、多分、結腸まで届いちゃったのかも」 ポリポリと頬をかいて苦笑いしてやがる。 「結腸!シルヴァ、止めさせろ!!あいつらを、今直ぐ止めさせろ!!!」 シルヴァの身体を揺すって叫ぶと 「多朗、それが出来るなら、僕だってとっくにやっているよ。僕達は今、お互いの深層意識の奥深くに居るからね。あの二人の神様が納得するまでは戻れないんじゃないかな」 と、冷静に言われてしまう。 「納得って……今日一日貸せば良いのか?」 「さぁ?それこそ、神のみぞ知る……だよ」 「お前、上手い事言ったつもりだろうが、上手くねぇからな!」 ゲシゲシとシルヴァの背中を蹴って怒ると、シルヴァが苦笑いしている。 「仕方ないんだよ。彼等がああして交われるのは、100年に一度だからね」 「100年に一度!!」 驚いて叫ぶと 「前にも話しただろう?普段は王族として、血縁者として生まれてエネルギー循環が行なわれてる。それに、いくら器だといえ、血の濃い血縁者との交わりは禁忌とされている。故にそんな感情は決して生まれない。ただし、エネルギー循環だけではエネルギーが不足になる。それで100年に一度だけ、交わる事が許される器に宿る事が出来るんだよ」 そう言うと 「きっと奏叶は城でこの世界の始まり等を学んでいるだろうから、多朗にもこの世界の始まりの話をしよう」 シルヴァはそう言うと、指を鳴らした。

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