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第48話
中和という作業は、この世界を守る為には必要不可欠であり、神聖な行為なんだ。
特に、僕達のように神様を宿した器には、命に関わる程に大切な行為なんだよ。
多朗が雨男……だったかな?
そう呼ばれていたのも、中和されていないから水の神様の力を制御する事が出来なかったからなんだ。
「じゃあ俺、もう雨男じゃないんだな?」
そうだね。
僕と中和している間は大丈夫だよ。
「それって……お前とやりまくらないとダメって事じゃないよな?」
それは違うよ。
言っただろう?
中和されれば、傍に居るだけでもエネルギー循環は可能になる。
話が大分それてしまったね。
では、次は4人の神様について話をするね。
この世界は元々、火の神様、水の神様、風の神様、土の神様から生まれたんだ。
そして、火の神様と水の神様から生まれた子供と、風の神様と土の神様の間で生まれた子供が、僕達、王族の始まりだと言われている。
ただ、火の神様は嫉妬深くて感情が激しかった為に、水の神様を自分の傍から離さなかった。
この世界に灯りを照らす事も忘れ、水の神様と愛を育む事しかしなくなった火の神様。
そして水の神様も又、雨を降らすのを忘れて火の神様に依存する事しか出来なくなってしまい、創造主が2人を引き裂いてしまうんだ。
すると水の神様は毎日泣き暮らし、火の神様は自暴自棄になってしまったんだよ。
世界は荒れ狂い、
そんな二人を見て、風の神様と土の神様が創造主様にお願いしたんだ。
4人で世界を回して行くから、なんとか二人を助けて欲しいと。
そこで、創造主様は100年に一度。
それまでこの世界を4人で守り続けていたら、愛し合える器にして番にすると約束したんだ。
「それが、今回は俺とシルヴァって事?」
うん。
でもね、異世界の人と……というのは今回が初めてだったんだ。
正直、不安が無かったと言えば嘘になるけどね。
だから、あの二人が納得するまで僕達はあの身体に戻るのは難しいと思うよ。
そしてもう一つ。
この後、多朗は気を付けなくてはならない事が一つある。これは大切な事だから、心して聞いて欲しい。
多朗はこの中和が終わった後、子供を宿せる身体になってしまうんだ。
もちろん、この世界でだけ……になるのだけど。
それは、多朗の身体が完全に水の神様と一心同体になってしまうからなんだ。
そして僕の魔力と多朗の魔力が合わさった事で、僕の能力は多朗に。多朗の能力が僕にも使えるようになる。
だから、これからは多朗も感情のコントロールが必要になる訳だけど……元々水の性質だから、多朗の事は心配していなんだけどね。
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