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第35話

ゆっくりとアルトの両腕を撫でながら唇を重ねられて、アルトはメイソンのキスに応えながら尻に当たっているメイソンの熱に、無意識に腰を振ってアルトの双丘の間にメイソンの硬い熱を当てていた。 「メイソン…………欲しい…………」 身体がメイソンを受け入れたくて、熱くなって疼いている。 アルトはその時、自分とは違う何かがこの行為を求めているように感じていた。 一方、メイソンはアルトを傷付けないようにしているのに、煽りまくるアルトに自分の中の『理性』を必死にかき集めていた。 そしてアルトを抱きながら、太陽の神子であるアルトの事を考えていた。 アルトの欲望を嚥下した時に左目の視力が開けたのが分かった。 『太陽の神子』と交わるのは、命を賭して神子を護る騎士になる契約だとアルトは言っていた。 久しぶりに両眼で見える世界に、メイソンは太陽の神子を誰もが欲する意味が分かった。 恐らく…………アルトに抱かれた場合は、アルトの力をその身に分けて貰えるのだろうと考えていた。 メイソン自身、アルトの欲望を嚥下した瞬間、身体にとてつもないエネルギーが満ちるのを感じ、その力が人智を超えた力なのも理解出来た。 (成程…………。だから王家は太陽の神子の力が欲しいから、アルトを第一王子の婚約者にしたい訳か…………。又、教会は教会で、この力を手に入れれば、国の中での力が強くなる…………) どちらにせよ、互いに己の利益の為にアルトを利用しようとしているのだとメイソンは察した。 まだ16歳になったばかりの、あどけなさの残る幼い少年を政治の為に利用する大人の汚さに切なくなった。 そっと抱き締めたメイソンを見上げるアルトにキスをしながら、メイソンは (アルト様がアルト様らしく生きられるように、全力で護ろう) と誓っていた。 「メイソン?」 後ろから強く抱き締められてアルトがメイソンを見上げると、優しいキスを落とされ、ゆっくりと項から背中をメイソンの唇が触れて行く。 「あっ…………あっ…………」 メイソンの唇が触れる度、アルトの唇から甘い声が漏れ、遂にメイソンの唇がアルトの最奥の蕾に触れた。 「あぁっ!」 舌先がアルトの蕾に触れると、アルトは釣り上げられた魚のように身体をビクリと震わせ 「ダメぇ…………汚い…………」 と、抵抗し始めた。 慌てて手で隠そうとする手をベッドに押さえつけ、収縮する蕾に舌を這わせている。 「あんっ…………あっ…………あっ…………」 ベッドに頬を擦り付け、アルトが喘いでいると、舌先がゆっくりと蕾を割開いて中へと差し込まれた。 「やぁっ!」 仰け反って叫ぶアルトの腰を押さえつけ、唾液を送り込みながら舌を差し込んで腸を舐め回す。 「ヤダ!中、舐めないでぇ…………」 涙を流しながら叫ぶアルトに、メイソンは小瓶を手にして蓋を開けると、アルトの秘部にゆっくりと垂らした。 「ひっ!」 ドロリとした感触を感じて、アルトは思わず息を呑んだ。 するとゆっくりと指が差し込まれ、アルトの中を掻き回す。 ギュッと身体を縮こませているアルトに 「アルト様、痛いですか?」 メイソンが心配そうに声を掛ける。 「痛く……は、無い。ただ、違和感が……」 そう呟いて震えるアルトの頬にキスをすると 「アルト様。そんなに身体に力を入れていたら、指が食いちぎられそうです」 そう耳元に囁いた。 「な!」 真っ赤になってメイソンを見上げると、その隙に2本目の指を差し込まれてしまい、アルトは身体を震わせて 「メイソン……ひと思いにやっちゃって……」 そう叫んだ。

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